浜辺でバーベキュー


 みんなかなり良い釣果を上げることができている傍らで、俺はその浜辺であるものの準備に取り掛かっていた。


「あとはここに炭を入れて、フレイムブレスで火をつけてやれば……。」


 炭にフレイムブレスで火をつけて、その上に網をかけてやれば、バーベキューの準備は完了だ。後はここにいろいろな食材を乗せて焼いていこう。


「まずは火の通りにくい分厚い肉と、巻き貝を乗せておこうかな。」


 まだ他のみんなは釣りに勤しんでいるし、ゆっくりと準備しよう。


「で、今回は……このサラマンダーの肉も豪快に使おうか。」


 特別な日ではないが、今回このサラマンダーの肉を使うことにしたのは、グレイスが書いた例のリストが理由だ。

 グレイスのやって欲しいこと……それは俺にサラマンダーの分厚いステーキを焼いて欲しいとのこと。だから今回はサラマンダーの肉を用意したというわけだ。


「にしてもまさかグレイスまであのリストを書いていたとは驚きだったな。」


 今グレイスのやってほしいことを解決したとして、残っているのはドーナとレイとイリスの3人だな。


 そうしてバーベキューの準備を進めていると、釣りを切り上げたシア達がこちらに走ってきた。


「お兄さ~ん!!いっぱい釣れたよ~!!」


「おぉ、お帰りシア。それにグレイスにイリスも。」


「ただいま戻りました。」


 にこにこと微笑んでいるシアとイリスだが、その中でグレイスは、網の上で焼かれている巨大な肉を見て、大きく口を開けて驚いていた。


「そそ、そのお肉は……もしかして。もしかするっすか!?」


「あぁ、要望通りちゃんとサラマンダーの肉を準備しておいたぞ。」


「やったっす~!!これもう食べてもいいっすか!?」


「今焼き始めたばっかりだから、焼きあがるのにはもう少し時間がかかるよ。」


「ま、待ちきれないっすよ~。」


 俺の周りをパタパタと飛び回るグレイス。肉と貝を焼いている間に、俺はシア達が釣ってきてくれた魚を水洗いして3枚に下ろして、一部の下ろした身には塩コショウで味をつけた。


「これは塩焼きにしよう。」


「お魚さんも焼くの?」


「あぁ、もちろんお刺身も作るから安心していいぞ。」


「えへへぇ~どっちも楽しみっ!!」


「まだ出来上がるまで時間がかかるから、あれだったらシアとメリッサの2人は、その辺の食べられそうな貝とか拾ってきてもいいぞ。」


「いいの!?メリッサちゃん行こっ!!」


「うん…たくさんとってくる。」


 そしてシア達は食べられそうな貝を取るために岩場の方へと駆けて行った。その後、ドーナ達も続々と釣りを切り上げてこちらに戻ってきた。

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