ミクモたちの様子は


 喫茶店で軽い軽食と飲み物を飲んだ後、シンと共に獣人族の国に戻ると、すぐにメーネルが兵士を引き連れて現れ、説教しながら彼のことを連れて行ってしまった。


「あれは帰ってからも説教が続きそうだな。」


 シンに同情しながらも、俺は道すがら購入した物件の様子を見に行った。すると、そこでは相変わらずミクモのゴーレムが掃除をしているが、ミクモとユリの姿が見えない。


「二人とももう帰ったかな?」


 なんだかんだあれから時間は経ったしな。もう帰っていてもおかしくはない。


「ちょっと中を見ていくか。」


 ゴーレムが掃除をしている建物の中に入ると、床が見違えるほどピカピカに磨き上げられていた。ボロボロで使えなさそうな家具とかもきれいに片付けられている。


「見違えるぐらい綺麗になったな。余計な家具もなくなったから余計に広く見える。」


「そうじゃろ?」


「っ!!びっくりしたなぁ、いつの間に戻ってきたんだミクモ。」


 気配もなく俺の背後に立っていたのはミクモだった、どうやら少し何処かへと出かけていたらしい。


「今しがた戻ってきたところじゃ。ユリちゃんもすぐに来るぞ。」


 ミクモの言葉通り、すぐにユリもお菓子の入った袋を携えて戻ってきた。


「あ!!社長、また来たんだな。」


「あぁ、どんな感じかなって様子見にな。この様子だと、設備が届いた翌日からはここで営業ができそうだな。」


「その設備が届くのはどのぐらいかかるんだ?」


「今日かなりたくさん注文したから、時間はかかるだろうな。」


「そうか、じゃあここで営業をするのはまだ先になるんだな。」


「ま、そんなに先の話じゃないさ。近日中には実現できる。」


 少し残念そうにしているユリにそう言って、今度はミクモに話を振った。


「ミクモの方で必要な設備とかは大丈夫なのか?」


「妾の豆腐製造機は、ここに持ってくるだけで使えるからの。心配は無用じゃ。」


「あれだったら空き部屋とか使っちゃって大丈夫だからな。」


「承知したのじゃ。」


 さて、様子も確認できたところで、俺はまたあそこに行かないと……もうそろそろ日が暮れてしまう。


「さて、俺はまだ行かなきゃいけないところがあるから、そろそろ行くけど……ユリもミクモもほどほどのところで切り上げるんだぞ。」


「わかってるのじゃ~。」


「わかったよヒイラギ社長。」


「ん、それじゃあな。」


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