調理実習②
先ほどお手本で切ってみせたアプルを手に、俺は次の火を通して加工するグループへと足を運んだ。このグループを取りまとめる先生役はボタンが務めている。
「さぁ、みんな。ヒイラギ先生のお話しをよ〜く聞きましょうね。」
「「「はーい!!」」」
すっかり先生として馴染んでしまっているボタンには、本当に驚かされてしまう。
「それじゃあボタン先生から説明があった通り、みんなにはこの切られたアプルを美味しいお菓子にしてもらうぞ。まずどんなお菓子を作るのか、実際に作りながら学んでいこう。」
そして子供達を調理台のところに集めて、俺は説明しながら調理を始めた。
「まずは切ったアプルを、この平たい鍋に綺麗に並べていく。」
均等にアプルを並べた後に、お水と砂糖、レモモの搾り汁をアプルが全部浸かるぐらいまで注ぎ入れる。
「そしたら、中火でじっくりと火を入れる。」
中火で数分加熱していると、ふつふつと煮汁が沸いてきた。
「この火加減のまま、アプルが柔らかくなるまでじ〜っくり煮込む。この時火加減を強くすると焦げちゃうから注意だ。」
子供たちがわかりやすいように説明しながら調理を、進めると一つのスイーツが出来上がった。
「はいこれで出来上がり。これがこれからみんなが作る、
今回最初に売り出そうとしているお菓子は、アプルのコンポート。ジャムでもよかったんだが、あれはあれで時間がかかるし、何より既にこの世界で俺が見たことがある。それよりかは、まだこの世界でも見たことのないコンポートを売り出したほうが良いと思ったのだ。
しかもコンポートにしたのには、もう一つ大きな理由がある。それは今、俺の会社で販売しているレアチーズケーキの存在。あれとアプルのコンポートの相性は抜群だ。子供たちが生産に慣れたら、セット売りをしようとも思っている。
「これは試しに作ってみたものだから、ボタン先生。子供たちみんなに味見させてあげてくれ。」
「はい、わかりました。」
ボタンに出来上がったコンポートを手渡して、彼女の耳元でぼそりと呟く。
「火は危ないから、子供たちの様子をずっと気にしてあげてくれ。俺も一応気にかけるけど、目が届かない可能性もあるから。」
「承りました社長。」
その後、瓶詰をするグループと、販売をするグループにも説明とちょっとした実習をして、一通りの教習は終えた。あとはいよいよ実践だ。
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