調理実習①


 説明をしっかりと聞き終えた後、ユリたちが子供たちが引き連れてこちらへと歩いてきた。


「おっと、もう説明は終わったのか。」


 ちょうどこちらの準備も終わった。座学で子供たちも退屈してるだろうから、今度は俺と一緒に楽しい実習の時間だ。


 俺はまずユリの担当する切りものを担当するグループの子供たちに、調理器具の扱い方を教えていくことにした。


「みんな、ユリ先生からしっかり説明は聞いたかな?」


「「「はーいっ!!」」」


「よしそれじゃあ、まずは……この果物を見たことある人~?」


「アプルだっ!!」


「大好き~!!」


 まず俺が取り出したのは、真っ赤なアプルの実だ。思っていた通り、子供たちはこれを目にしたり食べたことがあるらしく、目を輝かせていた。


「そう、これはアプル。もちろんこのまま食べてもすごく美味しい。でも、今日はみんなでこのアプルをもっと美味しいお菓子に変身させよう。」


 そしてリンゴカッターの台にアプルを乗せてから、この調理器具について説明を始めた。


「この機械はっていう機械で、その名の通りアプルを簡単に切る機械だ。使い方はとっても簡単だけど、使い方を間違うと怪我をしちゃうから、みんなしっかり説明を聞いてるんだぞ?」


 子供たちがまた真剣な表情になったところで、俺は説明を続けた。


「使い方はまず、この台の上にアプルを置いて。そしたらこの刃がついてる蓋をゆっくり下に押し込んでいくだけ。気を付けてほしいのは、間違ってもこの刃がついている蓋の下には手を入れないこと。」


 実際にやって見せると、子供たちから思わずおぉ~という声が沸きあがってきた。


「な?簡単だろ?じゃあ早速一人やってもらおうかな。」


 一人に実際にやり方を教えてあげれば、あとは子供たちの中で使い方の伝播が始まるはず。そう思って、俺は列の先頭にいたユキヒョウのような耳と尻尾の女の子に声をかけた。


「キミ、お名前は?」


「ユキっ!!」


「じゃあユキちゃん、早速やってみてくれるかな?」


「はーいっ!!」


 ユキちゃんにアプルを一個手渡すと、早速俺が先ほどやっていたようにアプルカッターにアプルをセットして、刃の下に手を置かないように注意しながらゆっくりと蓋を下げてアプルをカットした。


「できた!!」


「うん、よくできました。じゃあユキちゃん。みんなにも使い方を教えてあげてくれるかな?」


「わかった~!!」


 そして段ボールいっぱいに入ったアプルを置いて、俺は次の火を通すグループのところへと向かった。

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