ナルダ対策会議


 その後、避難していたエルフ達も国に戻ってきて、落ち着きを取り戻したところで、俺はカリンとフィースタに呼び出された。


「さて、社長も集まったところで、次のナルダ襲来に備えるべく対策会議を行うぞ。」


 今回の会議を取り仕切るのはカリン。参加しているのは、俺とリリン、ドーナ達の中からレイが参加し、そこにカリンとフィースタが司会と進行役で参加している。


「次の作戦としては……やはり要になるのは社長になってしまう。此度と同様に重荷を背負わせてしまうやもしれんが、やってくれるか?」


「もちろんです。」


「感謝する。ちなみに、一つ聞いておきたいのだが、今回ナルダと戦って何か勝ち筋のようなものは見えたか?」


「一つだけ……勝てるかもしれない可能性は見い出せました。」


「そうか、それならば今回の作戦でナルダを倒すことは、もしかすると可能かもしれんな。」


 カリンは一つ頷くと、今回の作戦を打ち出した。


「まず、作戦の前提として、ナルダの魔法の妨害を防がねばならない。」


「ふむ……カリンよ、そんな簡単に言っているが、可能なのか?ワシですら妨害魔法を打ち消すことはなかなか難しいぞ?」


「それに関しては、レイよそなたにも協力して貰う。」


「ワシがか?」


「あぁ、そしてリリンにも協力して貰うぞ。」


「ま、そんなことだろうとは思ってたわ。私は全然構わないわよ。」


 リリンが快諾すると、少し迷っている様子のレイがこちらにチラリと視線を向けてくる。


「レイも頼めるか?」


「うむ!!主の命とあれば、喜んで身を粉にして協力しよう。」


「ありがとう。」


 そしてレイの協力も得られたところで、カリンがまた作戦の概要を話し始めた。


「今回の作戦としては、此方らがナルダの妨害魔法をなんとしてでも突破する必要がある。その上で、社長を手伝うのだ。」


「簡単に言うわね、さっきはヒイラギがナルダの魔力制御を乱したから、なんとか私たちも魔法を使えるようになったけど……。」


「それをなんとかするのだ。せねばならんのだ!!」


 そうカリンは熱く語る。


「下手をすれば奴は、さらに強力な妨害魔法を使ってくるやも知れん。それにも対応できるように、強いものを……。此方からが力を合わせれば必ず成し遂げられるはずだ。」


 そしてその日から、カリン達はナルダの妨害魔法に対抗するため、新たな魔法の開発が始まったのだった。


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