外食へお誘い
俺が王宮の目の前につくと、パタパタと少し急ぎ足でレイラが王宮の中から出てきて、俺のことを出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ、ヒイラギ様。」
「やぁレイラ。ちょっとシンに話があるんだけど。」
「かしこまりました。どうぞこちらへ。」
そして王宮の中へと案内されると、シンの自室の前へと案内された。
「ただいまシン様はお部屋の中で、他国語をお勉強中でございます。」
「ちなみに、お昼ってもう食べたか?」
「いえ、まだでございますね。」
「良かった、じゃあ今日のシンのお昼ご飯の用意はしなくて良いから。ちょっと今日はシンと一緒に外食したくてさ。」
「かしこまりました。念の為シン様に確認させて頂きます。」
シンの部屋をレイラが優しくノックすると、数秒後扉を開けてシンが姿を現した。
「お勉強中に申し訳ありません。」
「構わぬ。して、どうしたのだ?」
「ヒイラギ様がシン様を外食にお誘いしております。」
「むっ!?ヒイラギだと!?」
俺の名前を聞いた途端に、シンは部屋から飛び出してくる。すると、ばっちり彼と目があった。
「よっ、一緒にご飯食べに行かないか?」
「友に誘われて断ることはできんのだ!!もちろん行くぞ!!」
「ではお支度のお手伝いをさせていただきます。」
そして二人が部屋の中に入って数分後……ラフな服装から、威厳あるいつもの服を身に纏ったシンがレイラとともに部屋から出てきた。
「待たせたなヒイラギよ。」
「全然待ってないよ、それじゃあ行こう。」
「うむ!!」
シンを連れて王宮を出た後、俺はすぐにあのお店には向かわず、とある場所に寄り道した。
「む?飯はここで食べるのか?」
「いや、俺のところの社員のエルフ達も丁度今お昼休憩に入ってるだろうから、彼女達も連れて行こうと思ってな。」
「なるほど、良い考えだ。」
「多分ついでにミクモも来るぞ。」
「み、ミクモ殿か……我の飯が奪われないと良いのだが。」
「大丈夫だ。きっとみんなお腹いっぱい食べれるよ。」
ユリ達が営業している場所へと向かうと、そこにはさっきの行列はもう無く、飲食スペースにみんなで座って休憩していた。
「やぁみんな、お疲れ様。」
「社長?どうしたんだ?」
「みんないつも頑張ってくれてるから、今日のお昼ごはんは俺が奢ってあげようかなって思ってさ。そういうわけで、一緒にご飯行かないか?」
「「「是非お願いしまーす!!」」」
ユリの後ろから、他の社員のエルフ達が満面の笑みでそう答えた。
「そ、それじゃあアタシも……お願いします。」
「あぁ、いっぱい食べてくれよ。」
そんな事を話していると、グイグイと俺の服を引っ張るものが一人……。
「もちろん妾を置いてけぼりにはせんよな?なっ!?」
「どうする、シン?」
「こっ、ここで我に話を振ってくるのか!?」
キラリと目を光らせながら、ミクモはシンへとジリジリ近づいていく。
「シン坊〜、断るなんて野暮な真似はせんよなぁ〜?」
「うぐっ、も、もちろんなのだミクモ殿。」
かくして、俺はシンとミクモ……社員のユリ達を連れてあの店へと戻るのだった。
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