波乱の龍集会
ドラゴンが全員揃ったところで、レイが口を開いた。
「ではこれより、龍集会を始める。まず最初はワシから、ある報告をしよう。」
人化したままの姿で俺とドーナの所へと歩いてきたレイは、俺達の肩にポンと手を置いた。
「皆も気になっているであろうこの人間二人……この二人は龍の力をその身に宿した特殊な人間じゃ。」
「我々龍の力を身に宿した?どういうことでしょうか?」
翡翠色の鱗のドラゴンの質問に、事情を知らない他のドラゴンたちも頷く。
「簡単に言ってしまえば、カオスドラゴンもレッドドラゴンもこの二人によって討伐された。そして、その力を継承したのがこの二人というわけじゃ。」
「ハン、テメェみてぇなひ弱な人間がカオスドラゴンを倒しただぁ?どうせ卑怯なやり方だったんだろ?」
先程から何かと突っかかってくる、雷のドラゴンをランがギロリと睨みつける。
「あんたねぇ、言葉は選びなさいよ。」
「おうおう、サファイアドラゴンまでコイツの味方かぁ?お前も随分腑抜けたなぁ!!それともアレか?しつこいレッドドラゴンを倒してくれたコイツに恩義でも感じてんのかよ。」
煽るような雷のドラゴンの言葉に、ランの額に青筋が浮かぶ。
「へぇ、随分口が達者じゃない。二度と喋れないようにされたくなきゃ、その口を閉じてなさい。」
「おぉ〜怖い怖い。キヒヒ、怒ったメスは怖ぇなぁ。」
ヒートアップしそうな二人をレイが止める。
「そこまでじゃ、戦うならば集会が終わった後にせい。今やるというのであれば……ワシが相手になる。」
すると、二人は睨み合いながらも大人しく引き下がった。
「それで良い。ではもう一つワシから……そしてサファイアドラゴンから報告と洒落込もう。」
「あらあら、なにかしらぁ〜?ニ龍から同時に報告なんて……珍しいわねぇ。」
「うむ、この度ワシとサファイアドラゴンの両名は、一匹のオスをツガイと認め、新たな名を授かった。これからはワシのことはレイと呼べ。」
「ワタシはランよ。」
ツガイがいることと、名前をもらったことを公にすると、先程の雷のドラゴンがくつくつとランのことを見て笑う。
「クッヒヒ……オス嫌いなテメェにツガイか。笑えるぜ。大方、このカオスドラゴンを倒したってやつをツガイにしたんだろ?」
「それの何が悪いのよ。」
「わかんねぇかなぁ……テメェにはオレ様の方がお似合いだって言ってんだよ!!」
そう雷のドラゴンが吠えた瞬間、俺の体を巨大な雷が貫いた。
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