待ち合わせ


「はふぅ~……満腹なのじゃ~。」


 満足そうな顔をしてレイは、膨れた自分の腹をポンポンと軽く叩く。そして、一人空いているソファーの上に寝転がった。


「にしてもドーナ、料理の腕上げたわね~。ワタシも負けてらんないわ。」


「ドーナお姉さんのパスタ美味しいのっ!!」


「ままの…りょうり…おいしい。」


「ね~、ボクも美味しいお菓子つくれるように頑張らなきゃ。」


 そう皆が口々に言った。ラン達だけじゃなく、シアやメリッサも納得する美味しさのようだな。


「そ、そうかい?ちょっと照れるねぇ。」


 皆に褒められて、照れてれとした様子でドーナは言った。誰でも率直に言われると、恥ずかしいものだ。その気持ちはよくわかるぞ。


「ふぅ、ご馳走さまでしたっと。ドーナ、美味しかったぞ。この調子で頑張ってな。」


 ポンとドーナの肩に手を置いて、食べ終えた食器を流しで洗うため厨房へと向かう。


「あ……。」


「ふふ♪ドーナさんお顔真っ赤ですよ?」


 真っ赤なリンゴのように赤く染まったドーナの顔をみて、イリスがクスリと笑う。


「恥ずかしがっちゃって~、そういうところは女の子っぽいのよね~、ドーナはっ。」


 イリスに便乗してランがドーナの真っ赤になった頬をツンツンとつつく。


「ツンツンするんじゃないよ。もう、食い終わったんなら早く洗ってきなよ!!」


 からかう二人にプイッと背を向けてドーナは言った。


「ふふ♪じゃあ怒られないうちに行きましょっか、ランさん?」


「そうね~♪」


 そして昼食を食べ終わった後、俺はある予定に向けて準備を整えていた。


「おっと、そろそろミルタさんに会いに行かないといけない時間だな。シア、ちょっと出掛けてくるからドーナ達に留守番頼むって言っておいてくれ。」


「お兄さん、いってらっしゃい!!」


「ぱぱ…いってらっしゃい。」


 シアとメリッサの二人に見送られて、俺はハウスキットを出た。そして、ミルタさんとの待ち合わせの場所へと向かう。


「確かこの通りの喫茶店だったよな。……あ、いた。」


 待ち合わせの喫茶店がある通りに赴くと、ミルタさんを見つけた。


「すみません、お待たせしました。」


「いえいえ!!私も今来たところでした。それでは中でゆっくりと…。」


「そうですね。」


 そしてミルタさんと共に、待ち合わせ場所だった喫茶店の中へと入った。

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