会議を終えて
皆が待っているハウスキットに帰ってくると……。
「お!?主っ、これを見るのじゃっ!!」
俺を見つけて飛びついてきたレイの首には、見慣れない首輪があった。
「念のため聞いておくぞ?なんだそれは?」
「むっふっふ、主の所有物であるという証じゃっ!!」
えっへんと威張る彼女の首輪は、次の瞬間後ろから鷲掴みにされブチリと引きちぎられた。
「な、なにするのじゃあ~!!」
「名前をもらったからって、ヒイラギを独占しようなんて……100年早いわ!!」
「くぅ~、生意気な小娘なのじゃっ!!100年経とうが、お主はいつまで経ってもワシより年下じゃ!!年長者を敬うのは当たり前じゃ~!! 」
「そんな事誰が決めたってのよ!!そもそも名前をもらったんなら、土俵は同じでしょうが!!年上も年下も関係ないわよ!!」
ランとレイの二人は取っ組み合いの喧嘩を始めてしまう。
「仲が良いな。」
「まったくだ。」
案外、二人とも楽しんでいるのかもしれないな。レイがいなくなった時、喧嘩相手がいなくなって少しランも寂しそうだった。取っ組み合う二人を見て、苦笑いながらハウスキットの中へと入ると。
「お兄さんおかえりっ!!」
「ぱぱ…おかえりっ!」
ぼふっと、勢いよくシアとメリッサの二人がお腹目掛けて飛び付いてきた。
「ただいま。お腹減ったろ?今ご飯作るからな。」
「あ!!今ドーナお姉さんが作ってるよ!!」
「お?ホントか?どれ、ちょっと覗いてみるか。」
厨房を覗いてみると、なにやら本を読みながら、あ~でもないこ~でもない……と呻きながら格闘するドーナがいた。どうやら、先日あげたこの世界の言語で書いたレシピ本を見ながら料理を作っているようだ。
「頑張ってるなら邪魔しない方が良さそうだな。大人しく出来上がるのを待とう。」
作ってるのはパスタみたいだから、もうすぐ出来上がるだろう。期待して待っておこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます