目覚めた3人


「うーん……あれ?ここは王宮……じゃない?」


「私達、国王陛下に謁見をしていたはずなのに。」


 やはり見解通り、この二人も国王と会ってからの記憶が無さそうだ。


「どうやら全員気がついたようだね、これでようやく話ができそうだ。」


「「オーナルフ!?」」


「そ、そんなに驚くことではないと思うのだが‥」


 自分を見て驚きの声をあげる二人に、彼はぼやくように言った。


「そりゃあ驚くよ!!」


「わ、私達の体に変なことしてないでしょうね!?」


「するわけないだろう!!全く……失礼な。」


 半ば呆れたように、エートリヒはため息混じりに言う。まぁ彼女達の気持ちもわかるがな、気がついたら知り合いとはいえ男の家にいるのだ。驚くのも無理はない。


「まずは君達の身に何があったのか話さないといけないな。そこにいるルーカスにはもう話したんだがね。」


 そしてエートリヒはさっきの出来事と、国王に皆洗脳されていたということを彼女達二人に話した。


「なるほど、そういうことね〜。」


「理解できたわ。」


 意外にも、あっさりと二人は自身が洗脳されていた事実を受け入れた。


「な、何で二人ともそんな簡単に信じられるんだ?」


「え?だってオーナルフが嘘をつくわけないし?それに陛下が洗脳を使えるなら、国の重役の方々がみんなの揃って戦争のことに首を縦に振ったことも説明がつくでしょ。」


「そうそう~、逆に何でルーカスは信じられないんだよ~。もしかして恥ずかしいの?」


「は、恥ずかしいわけないだろ!!」


「くく、ルーカスは昔から少し自分のことを恥ずかしがる癖があるからな。」


「くっ……わ、笑うんじゃない!!わかった信じる。信じるよ!!」


 半ばやけになったようにルーカスなる男は言った。それを見たエートリヒは満足そうに頷く。


「うむ、ではそろそろ本題に入ろう。今日君達に集まって貰ったのにはある理由があってだね。私達の協力者になってもらいたいのだよ。」


「「「協力者?」」」


 三人は声を揃えて言った。首をかしげる三人にエートリヒは真剣な表情になって言った。


「あぁ、今の国王を玉座から引きずり下ろす協力者になってほしい。」


 さて、彼らはいったいどんな反応をするだろうか……。


 俺は部屋の隅で、エートリヒ達のやり取りを無言で見守るのだった。

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