3人の協力者
それから少し日が経ち、四日が経過した。その間俺達は市場に行ったり、釣りをしたりと、自由気ままな生活を送っていた。
そして今日はエートリヒの屋敷に訪れていた。
「例の協力してくれそうな人はこの中に?」
「あぁ、三人集まってくれたよ。皆、国の重役の右腕になっている者達だ。」
「彼らと話して、何か違和感とかは感じませんでしたか?」
「特には感じなかったな。皆いつも通りだったが……。」
「そうですか、では実際に会って確かめてみることにします。」
「わかった。」
エートリヒは一つ頷くと、その人達が待っている部屋の扉をゆっくりと開けた。
「いや、諸君…待たせてすまなかったね。」
「全くだぞオーナルフ、しかも急に呼び出して…俺だって忙しいんだぞ?」
「まぁまぁ落ち着いてよルーカス。オーナルフだって君が忙しいのはわかってるだろうし…ね?」
「で、今日は私たちを集めて何をするつもり?」
「少し複雑な話になる。まぁ茶菓子でも食べながらゆっくりと話そうじゃないか。……入ってくれ。」
彼から合図が出た。俺はカットしたケーキと、温かい紅茶を持って部屋の中へと入る。
「失礼します。」
ペコリと一礼して、彼らの前に紅茶とケーキを並べていく。
「オーナルフ、お前執事なんて雇ったのか?」
「流石に私もそろそろ歳でね、家事を一人でこなすのが辛くなってきたから雇ったのだよ。」
「ふぇ~、あんなにメイドも執事もいらないっ!!って言ってたのにね~。」
「数年会ってないだけで人って変わるものね。」
「変わらない人間などいないと思うがね。では茶菓子もあることだし本題に入ろう。君達は今回の戦争の案について、どう思っているのかね?」
エートリヒが今回の話題を口に出すと、ケーキにフォークを伸ばしていた三人の手がピタリと止まる。
「どう思うって?そりゃあ良い案だって思ってるに決まってるさ、何せ国王陛下直々のお考えだからな。」
「うんうん!!ルーカスの言うとおりだよ~。」
「国王陛下の崇高なお考えにどう思うも何も……ねぇ?」
三人の答えを聞いてエートリヒは、俺のことをチラリと見た。その意図を察し小さく頷く。
言動から察するに、ほぼほぼ間違いなくこの三人は国王に洗脳されているだろう。
だが、念のため一応鑑定は使って確認しよう。
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