就寝後に……


 リリン達に報告を終えた後、シャワーを浴びて、残るは寝るのみとなった。


「明日はきっとミルタさんに会えるはずだから、またあのお店に行かないとな。」


 明日はたくさん話を聞きたいし、少し早めにここを出よう。そのために今日は早めに寝ておこう。


 敷いた布団の上にごろんと横になる。するとシア達もいつもの場所に横になった。

 メリッサはシアのとなり……つまるところ俺の胸の上に収まった。


「ぱぱ…あったかい。」


 スリスリとメリッサは、胸に顔を擦り付けてくる。いつも思うんだが……胸の上って寝づらくないのだろうか?


「寝心地悪くないか?」


「だい…じょうぶ…きもちいい。」


「そうか、ならいいんだが。」


 みんなに囲まれて体が温かくなってくると、急速に睡魔が迫ってくる。目を閉じると、俺の意識は微睡みの中に沈んでいった。






「ぱぱ…ぱぱ…。」


「ん……んん、どうしたんだメリッサ?」


 突然メリッサに体を揺さぶられ起こされる。まだ朝にはなっていない。


「わたしの…はちが…わるいにんげん…つかまえた。」


「悪い人間?」


 重くのし掛かってくるまぶたを、こじあけながら体を起こす。


「わたし…はちに…みまわり…おねがいしてた。」


「いつの間にそんなことを……。」


「このもりに…はいったとき。」


 どうやらこの森に入ったときには、もう辺りの見回りをしてくれるハチを放っていたらしい。


「その捕まえた人間って今はどこにいる?」


「いま…はこんで…きてる。」


 俺の予想が正しければ…そいつらは国王に命令されて来たんだろうな。ひとまず軽く尋問してみるか。


 そんなことを思っていると、ハウスキットのドアがコツコツ……とノックされた。


「ぱぱ…きたよ。」


「あぁ、わかった。」


 ドアを開けた先には、メリッサの配下のハチが、ヴヴヴ…と羽音をたてながらホバリングしていた。


「にんげん…どこ?」


 メリッサがハチにそう問いかけると、ハチは前足である方向を指差した。


「あっちにいるのか。」


「うん…あんない…して?」


 そしてハチは先ほど指差した方向へと飛び始めた。そのハチに着いていくと……。

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