就寝後に……
リリン達に報告を終えた後、シャワーを浴びて、残るは寝るのみとなった。
「明日はきっとミルタさんに会えるはずだから、またあのお店に行かないとな。」
明日はたくさん話を聞きたいし、少し早めにここを出よう。そのために今日は早めに寝ておこう。
敷いた布団の上にごろんと横になる。するとシア達もいつもの場所に横になった。
メリッサはシアのとなり……つまるところ俺の胸の上に収まった。
「ぱぱ…あったかい。」
スリスリとメリッサは、胸に顔を擦り付けてくる。いつも思うんだが……胸の上って寝づらくないのだろうか?
「寝心地悪くないか?」
「だい…じょうぶ…きもちいい。」
「そうか、ならいいんだが。」
みんなに囲まれて体が温かくなってくると、急速に睡魔が迫ってくる。目を閉じると、俺の意識は微睡みの中に沈んでいった。
◇
「ぱぱ…ぱぱ…。」
「ん……んん、どうしたんだメリッサ?」
突然メリッサに体を揺さぶられ起こされる。まだ朝にはなっていない。
「わたしの…はちが…わるいにんげん…つかまえた。」
「悪い人間?」
重くのし掛かってくるまぶたを、こじあけながら体を起こす。
「わたし…はちに…みまわり…おねがいしてた。」
「いつの間にそんなことを……。」
「このもりに…はいったとき。」
どうやらこの森に入ったときには、もう辺りの見回りをしてくれるハチを放っていたらしい。
「その捕まえた人間って今はどこにいる?」
「いま…はこんで…きてる。」
俺の予想が正しければ…そいつらは国王に命令されて来たんだろうな。ひとまず軽く尋問してみるか。
そんなことを思っていると、ハウスキットのドアがコツコツ……とノックされた。
「ぱぱ…きたよ。」
「あぁ、わかった。」
ドアを開けた先には、メリッサの配下のハチが、ヴヴヴ…と羽音をたてながらホバリングしていた。
「にんげん…どこ?」
メリッサがハチにそう問いかけると、ハチは前足である方向を指差した。
「あっちにいるのか。」
「うん…あんない…して?」
そしてハチは先ほど指差した方向へと飛び始めた。そのハチに着いていくと……。
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