ゴールデンティップス
ミルタさんの後に続いて中へ入ると、クラシックなメイド服に身を包んだ女性が出迎えてきた。
「会長お疲れ様です。」
「私のお客様です。最高級の紅茶と茶菓子を準備してください。」
「かしこまりました。」
ミルタさんがメイド服の女性にそう告げると、彼女は店の奥へと消えていった。
「そこまでしていただかなくてもいいのに。」
「いえいえ、ヒイラギさん達には私の命を助けて頂きましたからな。このぐらいさせてください。」
「お菓子楽しみっ!!」
「我が商会の中でも1番よいものをお出ししますから、遠慮しないで食べてください。」
「ふわぁぁ~おじさんありがとう!!」
「ミルタ商会の中で1番いいものかい。これは楽しみだねぇ。」
「甘いものは好きよ、楽しみだわ。」
商会の中で1番のお菓子か……いったいどんなものだろうか。正直とても楽しみだ。
「すみません、ありがとうございます。」
「お気になさらず。それではこちらの部屋にどうぞ。」
ミルタさんにある一部屋に案内された。中に入ると、一目でその部屋がどんな人を招き入れるのか理解することができた。
綺麗なシャンデリア、高級感のあるテーブルにソファー。それらの家具を引き立たせる壁紙と絨毯。これは明らかにVIP専用の部屋だ。
「どうぞ腰をかけてください。」
「ありがとうございます。それにしても凄い部屋ですね。」
「わかりますかな?ここは私のお客様専用の部屋ですから、それなりに良いものを揃えております。」
きょろきょろと周りを見渡しているとコンコン……と部屋がノックされた。
「入っていいですよ。」
「失礼致します。こちらがジリンの茶葉の
メイド服の女性の言葉に俺思わず耳を疑った。
(ゴールデンティップスのみ!?そんなの日本でも飲んだことないぞ……いったいいくらするんだ?)
驚きを隠せないでいる俺を置いて、ミルタさんは続いて運ばれてきたお菓子の説明を始めた。
「そしてこちらが白糖で作られました。干菓子になります。」
随分と綺麗な形の干菓子だ。良い型で形をとっているのだろう。細かいところまでしっかりと作り込まれている。
「それでは失礼致します。」
メイド服の女性はこちらに1つ礼をして退室していった。
「紅茶も茶菓子も私が各地を回りまして厳選した最高級品です。どうぞお食べください。」
「ありがとうございます。いただきます。」
「いただきます!!」
干菓子を1つつまみ上げ口に入れた。甘い…がくどくはない。いい砂糖を使っている証拠だ。
「あまぁぁぁい、美味しいぃ~♪」
「とてもいい砂糖を使ってますね。くどくなくて美味しいです。」
「お口に合ったようで何よりでした。」
さてさて、このゴールデンティップスのみで作られたという紅茶はどうだろうか。好奇心で胸をいっぱいにして、紅茶を口に含んだ。
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