実食ソードフィッシュ!!
出来上がった天丼をみんなが待っているテーブルへと運んだ。
「お待たせしました。」
「いえいえ!!とんでもない。」
「お口に合うかわかりませんが……どうぞ。」
ミルタさんには、スプーンとフォークを付けて天丼を提供した。すると彼は興味深そうに天丼を眺め始めた。
「これは、見たことがない料理ですね。」
「野菜と魚に衣をまとわせて揚げたものをご飯の上にのせた
「ヒイラギの料理はとんでもなく美味しいから、ミルタもビックリすると思うよ?」
「ドーナさんがそう言うのであれば間違いないのでしょうな。」
料理の説明をしながら、みんなの前にも天丼を配膳していく。
「夜ごはんも美味しそうっす~。」
よだれを垂らしそうになりながら、グレイスがパタパタと翼をはばたかせ席に着いた。
「む!?ワイバーンを飼っているのですか!?」
「これはあの……なんと言いますか、あまり深く聞かないでいただけると助かります。」
「承知いたしました。私とした事が少し興奮してしまいました。申し訳ない。」
「いえ、大丈夫です。それでは食べましょうか。」
俺も席につき手を合わせた。
「「「「「いただきます!!」」」」」
いつもの食前のあいさつをしてから、みんなは食べ始めた。それを少し眺めた後、ミルタさんも食べ始めた。
「それではありがたく、いただきます。」
そして彼はさっそく、ソードフィッシュの天ぷらとご飯を一緒に口に運んだ。すると、カッと目を見開いて食レポを始めた。
「これは美味しいですな!!このサクサクとした衣が甘しょっぱい汁を吸って、このご飯でしたかな?これによく合いますな!!」
「口にあったようで何よりです。」
「口に合ったどころの話ではございませんぞ!!王族の晩餐会で出る料理よりもこれは……。」
天丼の味をべた褒めしながらミルタさんは、無我夢中といった様子で食べている。
改めてみんなのほうに目を向けると、みんなは彼以上に天丼にがっついていた。
「このおさかなふわふわ~♪美味しい~!!」
「お昼に頑張った甲斐があったってものね~。」
「こいつはまたご飯が止まらないよ!!」
「自分今まであんまり草は食べなかったっすけど、この草は美味しいっす~♪」
グレイス……それは草じゃなくて野菜だ。まぁ、ワイバーンからしたら野菜も草と同じ……なのかもしれない。
こうしてミルタさんを交えた夕食は、順調に進んだ。
そして夕食を食べ終えた後、彼と明日のことについて話し合うことにした。
「ミルタさんはシュベールを目指しているんですよね?」
「えぇ、そうですね。できればご一緒させていただけると助かるんですが……。」
まぁそれくらいならいいだろう。ここで恩を売っておけば、後々助けになってくれるかもしれないしな。
「いいですよ、自分達も目指すところはシュベールなので一緒に行きましょう。」
「ありがとうございます。この恩は必ずお返しさせていただきます!!」
「そんなに気にしなくても大丈夫ですよ。あ、そういえば申し遅れましたが自分はヒイラギと言います、よろしくお願いします。」
「ヒイラギさん……覚えましたぞ。こちらこそよろしくお願い致します。」
こうしてミルタさんとともに明日、シュベールを目指すことが決定した。
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