実食!!エルダーシュリンプ
テーブルに料理を運びあとは食べるのみとなったのだが……ここで俺は1つの問題に気付いた。
「グレイスにはどうやって食べさせようか…。」
そうグレイスはワイバーンである。人化できるランとは違い、手でレンゲなりなんなりを持って食べることができない。
「ん~……あぁ、思い付いたちょっと待っててくれ。」
平たい皿にご飯を山に盛り、上からエビチリをかけた。俗に言うエビチリ丼である。これならばグレイスでも食べられるだろう。
「これなら食べられるかな?」
「か、感謝するっす!!これなら食べられるっす~。」
「よし、それじゃあ食べようか。」
「「「「いただきま~す!!」」」」
「い、いただきます?」
「あぁ、これがご飯を食べる前の挨拶だ。覚えてくれ。」
「わかったっす!!いただきます!!」
そしてグレイスはエビチリ丼にかぶりついた。味わうように咀嚼した後、グレイスはきらきらと目を輝かせる。
「お、美味しいっす~!!こんなの食べたことないっすよ~。」
「当たり前じゃない、ヒイラギの料理なのよ?美味しくないわけないの。ワタシも食べよ~っと、あ~むっ……ん~っ!!やっぱり美味しい♪このエルダーシュリンプがとっても甘くてプリプリね!!」
「うんうん、それにこのソースがよく合うねぇ~。それとこのピリッとした感じ……ご飯がとまらないよ!!」
「はふっはふっおいしい!!でも舌がピリピリ~っ。」
辛い物を初めて食べるらしいシアは、舌に残るピリッとした味わいに首をかしげていた。
「シアには少し辛かったかな?オレンジジュース飲めば少しよくなるぞ?」
「ううん、だいじょうぶ!!このピリピリとご飯がおいしいの!!」
シアはエビチリを食べてはご飯を食べてを繰り返している。時折、オレンジジュースも挟みながら食べてくれていた。
「それじゃあ俺も食べようかな。」
レンゲでエビチリを掬い口へと運ぶ。エルダーシュリンプの身はぷりぷりで、甘い。
うん!!このエビ……ホントに美味しいな。大きかったから味も大味かと思ったが、そんなこともない。甘辛いチリソースも良く絡んで……ご飯が止まらない。
「はぁ……うまいなぁ。」
エルダーシュリンプのおいしさに舌鼓を打っていると、横からちょんちょんと腕をつつかれた。
「ん?シアどうした?」
「お兄さん、おかわりしてもいい?」
「あぁ、いいぞ。まだ余ってるからな、ほら器貸して。」
「あっ!!ワタシもおかわり~。」
「アタイも!!」
「じ、自分ももう少したべたいっす~。」
グレイス……お前のその小さい体のどこにそんなに飯が入るんだ?ランと同じで胃袋はそのまんまって感じなのか?
そしてみんなでエルダーシュリンプを味わい尽くし、今日という一日を終えるのだった。
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