丹精込めて作っております
料理と小説は似ている。
あなたは毎日のご飯を作ってる側?
作ってもらっている側?
誰かにご飯を作ってあげる側なら男女関係なく一度は経験があると思う気持ちをここに書きます。
手間隙かけて一生懸命作った手料理。
下ごしらえして味付けにもこだわり、盛り付けだって頑張った料理に、ソースや醤油やマヨネーズなどの調味料をもとの味がわからないくらいに溢れんばかりにドバーとかけられ(ソースまみれになった黒いコロッケを思い浮かべてください)、ものの数分で完食された時の虚しさと言ったら……。
勢いよく食べてる食べっぷりを見るのが気持ちいい、完食してくれて嬉しい、もちろんそういう人もいるでしょうが作る側としてはご飯は味わって欲しい気持ちが多少はありますよ。
中学生や高校生がご飯食べてる時に噛まずに掻き込んで食べる感じ、あれは育ち盛りの十代だから見ていても若いなーくらいにしか思わないけれど、いいトシの大人がやるとみっともないと私には思える。早食いは太りやすくなるのでよく噛んで食べよう……。
そして美味しいの言葉もご馳走さまでしたも言わない。美味しいは個人の感想なので置いておくとして、ご馳走さまが言えないのはダメだ、論外!
これは何のエッセイだ……そうそう、小説の話をしているのですよ。
小説は料理と一緒だと思いました。
ひとつひとつが手作業。1ページずつ心を込めて作っております。
書き手の24時間のうちの数分、数時間、1週間のうちの数日、1ヶ月のうちの数週間の時間が作品には宿っている。
そして読み手の24時間のうちの数分、数時間、1週間のうちの数日、1ヶ月のうちの数週間の時間を書き手はいただいている。
例えるなら書き手は料理人、読み手は店に料理を食べにきたお客様。
書き手は新作を作ったり昔のものを改良したりして店に並べる品数を揃えて読者を待っている。
読み手はメニューの中で好きなものを注文し、食事(読書)をする。
読み手は途中で好みに合わなくなれば自分が選んだ料理だとしても残す。
最後まで完食できない場合もある。
残された料理を見ると書き手はどこが口に合わなかったんだろうと落ち込む。
読み手はどこが口に合わなかったかは言わない。何も言わずに去って二度と来店してくれない。
読み手は作家の事情なんか知るかと思うでしょう。
こちらは丹精込めて作っております。
どんな書き手もどんな作品もすべてが手作業。
食べ残しも辛いけれど、ページの読み飛ばしも辛い。
私は手料理は味わって欲しい派。
欲の消費じゃなく、よく噛んで味わって、余韻も楽しんで……欲しいんだけど無理かな。
読者に読み方強要はできないからね。
自由に読めばいいと思います。
だけど結構、書き手にはきちんと読んでる人とそうではない人の違いが伝わっちゃうよね……ってお話でした。
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