ブレンドスパイス
料理ではなくてスパイスだとしたらどうだろう。悪くないぞ、と思ったのは昨夜までの話。一晩寝かせると、この奇妙な味=スパイス説のアイデアは、カレーのように美味しくなるどころか、ひどくまずく感じます。不味くも拙くも感じます。
味付けという概念からは、なかなかいい連想を引っ張ってくることができたと思ったのですが、スパイスだけを食べるわけではないので、独立した作品をスパイスにたとえるのは、それこそ奇妙です。
タイトルの「二壜のソース」にひっかけるならば、確かに「奇妙な味」ジャンルの作品には、変なソースがかかっているようにも感じるのです。「え、それ、かけます?」というよりも「え、なにこれ? なんか見たことない色してますけど、原材料なんですか?」と問いかけずにはいられないというような感じ。
食べたことのないスパイスかソースのかかった作品というのが、現時点での味覚に寄せた私の「奇妙な味」の定義としておきます。
とても乱暴な定義づけを思いついたので書いてしまいますが、乱歩が「奇妙な味」と呼んだものが「奇妙な味」です。後年は読み手が「あぁ、これなんだろう? あぁ、あれだ、奇妙な味ってやつだ」と感じれば、もうそれは奇妙な味という気がします。
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