　今回は少し踏み込んで「完全犯罪」について書いていきます。中盤までの展開に言及しますので、ご注意ください。

！！！！！警告！！！！！

以下、ベン・レイ・レドマン「完全犯罪」について、ネタばらしがあります。未読のかたはご注意ください。

　冒頭の完全犯罪は可能か、という議論から、世界一の名探偵が最近、解き明かした事件の話題にうつります。

　この事件、実は名探偵の推理ミスだったことがわかります。それも真相を見抜いてしまうのは物語で「助手」の役割を果たす人物というのが肝。

　謎解き物語が書けないからミステリーを破壊しにきたのではなく、ちゃんと推理小説が書けるのを提示したうえで壊しに来ていると数回前に書きましたが、それがこの助手の推理の部分。

　多少、ラッキーな要素はあるものの、助手が名探偵のメンツを丸潰ししてしまいます。

　これはある意味で一つの完全犯罪が成立したとも言えるでしょう。

　さて、名探偵には一大事です。

「ハハハハ、たまにはやるじゃないか、ワトソン君」となればよいですが、「完全犯罪」の探偵はなにしろ謙遜しない自称世界一の名探偵。

　行動を起こさずにはいられません。

　名探偵がどうでるか、がこの先の読みどころ。

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