頭のよい人
推理小説にはよく頭のよい人が登場します。探偵もそうですが、完全犯罪をもくろむ犯人もそうですね。
この登場人物は頭がよいんですよ、と読者に伝えておく必要がある場合、どう描くのが正解かはわかりません。小説を読み進めていくうちに、自然とジワリジワリと読者が人物像を獲得していくのは一つの理想でしょうが、なかなか難しいもの。軽いエピソードを披露するのも一つでしょう。
文学と娯楽がわかれていくと、わかりやすさを追い求めるエンタメでは、過剰な描き方もでてきます。「十三号独房の問題」の名探偵、ヴァン・ドゥーゼン教授は、哲学博士にして法学博士、王立学会会員で医学博士でもあり歯科博士と肩書だらけで、びっくりするほどオデコが広い。
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