筆致の反省会

蜜柑桜

ファンタジー葉桜反省会(1)ファンタジー葉桜ができるまで

 ファンタジー葉桜が完結、公開しました。ギリギリです。時間だけギリギリです。


 早速読了、お礼申し上げます。


 ファンタジー葉桜の着想は、180度違う現代ドラマ一話目を書いている序盤でした。

「一話目はスタンダード、二話目はイレギュラー」

 筆致企画の(個人的)お約束。


 黒板は初回ということもあり、二話目のイレギュラー(?)度合いは「三角関係」ならぬ「四角関係」というだけで、イレギュラーほんのり程度でしょうか。しかも主役の春子と夏男が脇役。


 2回目「きらり」の二作目は妖狐です。お伽話調。


 以下、ファンタジー葉桜のネタバレを含むので、まずはお話をどうぞ(笑)

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054897202350


 筆者のエゴを言わせていただけば、

まだ未読の方は、この反省会は本当にネタバレですので、読まずにいてくださるといいな、というのが筆者の願いです。


 三作目、葉桜現代ドラマを書いていて、「二作目イレギュラーどうしようかな」と思いつつ書いており、執筆序盤で「ファンタジー行くか」「桜子と元恋人、同一人物ってどうだろ」「春の花の間しか会えない悲恋」「『死神さんの初デート』と同じような魔法ものに挑戦してみよう(ファンタジー書きと標榜しながら大してファンタジーらしいファンタジーを書かない人間)」


 うん、これでいこう。


 桜の木が花を咲かせる準備は、夏に「花芽」というのができるときからすでにスタートしているらしいのです。ですから当初の桜子人間型は夏に学園に舞い戻ってきました。しかしそうすると……

 学園の一年は桜の散る頃に終わる設定だけれど、葉太と離れている期間短すぎない?

 → 花が「咲ける」状態になるのは秋らしい → 改稿して桜子の編入は秋にずらします。ちょうどいいじゃないか、春秋セメスターなら秋開始だし。


 魔法の力について。

 古くからの御伽話や神話などによくある話です。そのものの本質を知ることをきっかけに何かが変わる、というのは言わばカノンですね。使わせてもらいました。

 それに加え、かなり早い段階から、「お日様の光」による魔法の成功、という設定もありました。これ、自分の頭の設定にはしっかりあったけれど、文章にあまり出ていなかったので、途中で「変化魔法に必要な媒介」の要素を話中に書き足しました。

 お日様の光の名称はどうするか。光でも蝋燭などは「ルミエール(美女と野獣の燭台の名前)」、太陽の光は「ルクス」らしいので後者に。


 桜子の悩みは成就しない恋の悩み→自分の存在の秘密→それでは別れた後にどうやって戻って来させるか。


 戦え桜子。


 というわけで、危機に戻ってくる桜戦士桜子ができたわけなんですけれど。

 嵐だけで散るのも捻りがないので敵(悪鬼)に攻撃されることにしよう。少しずつ散って身が消えるほうがドラマになるかな。

 まさかの敵が出てくる葉桜。


 そうしたら桜子=桜の花だと、一つ散ったら終わりになっちゃう。

 いや〜それはアッサリしていて戦闘シーンが一瞬で終わる。むしろ一枚一枚がいいかな〜。それで最後にぶわぁっって桜吹雪になるの。夜桜の中に光で。そっちがいいじゃないですか。

 かと言って桜子(女の子)が桜の大木っていうのも嫌だし、若木にしてしまうと頭の中にある情景が不可能になる。


 木ってどんどん枝葉を増やしますよね……? 若枝ってことにすればいけるんじゃない?


 そして桜子は若枝になったのでした。


 その結果、桜子は蜜柑桜のお話の中で最も負傷する主人公になったのでした(なぶりいたぶるようでごめん)。



 書いていて思いました。



 なんだ、このどこかの美少女戦士の各回ラスボスバトルみたいな展開は。


 反省会、続く。


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