はるかな未来、可能性の物語

白木錘角

第1話 プロローグ

 ラフカディオは口伝者トーカーである。

 かつて語られた物語たちを生涯をかけて蒐集した男、その存在を借りた姿。

 ゆえに彼は創造主ではなく、イマジンも持っていない。イマジンに限りなく近い存在であれば持ってはいるが、それも厳密に言えばイマジンとは違う。

 彼はただ、そこにある物語を語るだけだ。


 しかし、もしも、そんな彼が自分の話を物語ってもいいのなら……。




 一つ、小生の話をしようではないか。

 これははるか未来の話……彼らがいなくなった世界、そこで起こった少し奇妙な物語。

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