転生したっぽいけど、スキル『録音』……ってなにこれ?

黒有/人。

プロローグ

 昔から眠ろうと思っても全く眠れなかった。

 周りの皆は「横になって目を閉じてればいいじゃん」とか言っていたが無理。僕には意味がなかった。なら、どうやって寝てたのかというと本を読むなりスマホをいじってたり、ゲームをしながらとかそんな間に眠っていた。友人からするとあれはのだそう。

 起きていられる時間としては周りより少し多かったと思うが活動限界時間がくると突然シャットダウンする感じ。友達とゲームで通話チャットをしながらこれをしてしまう時もあったので気絶とか言われても仕方なかったかも。

 それで起きたら充電ケーブルが抜けていたり、本のページに折り目がついてたりする時もあるからやめたくはあるんだけど。

 ところで、どうしてこんな話をしているのかというと昨日ちゃんと寝たっけと疑問に思ったからだ。

 なんだか体が重くてシーツがゴワゴワしている。何より知らない天井だった。彼女いない歴=年齢の僕だし、てか昨日酒を飲んだ記憶もない。まさか、拉致でもされたんだろうか?正直こういう非日常の気配はワクワクしてきてしまう。

 暫く誘拐犯に対してのセリフを考えていたら何やら物音が聞こえてきた。



「あらあら、リベル起きてたの?珍しいわねぇ」



 は?


 待ってリベルって誰?誘拐犯の方じゃないの?女のひと?起きてると珍しいの?なんで平和は訪れないの?


「ぁうあうあー」


 おっと僕としたことが寝起きだからって赤ちゃんみたいな声を出してしまった。いくら友達から「偶に寝起きやべぇことあるよな」とか言われててもこれはない。


「お腹すいちゃったの?ちょっと待っててくださいね、っと」


 そう言うと女性は僕をて、自ら服を捲り上げ乳房をさらけ出した。


「ほらほら、リベル?お腹いっぱい召し上がれ」


 今の状況がまるで分らないがここは本能に従うべき場面であると思う。たぶんそう


「リベルったらほんとうにお腹すいてたのね。ふふ」



 お腹いっぱいになったら眠くなるって本当だったんだな。てかこの状況何なんだよマジで


 そして僕は背中をさすられながら……

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