私のオハナシ

音葉のの

第1話 生まれた

「おぎゃぁ~、」


 そんなこといってたかはわからない。

 生まれた時のことなんて知らない。

 とりあえず親に聞いた話だけで進めていく。




 ***




 私が生まれた日、その日は父は仕事だった。

 母の初めての命がけの出産。

 もう一度言おう。『父は仕事だった。』

 私が生まれたその瞬間、父は母のもとにはいなかった。


 それから13年間。そのことを永遠と父は母に責められるのだった。


 教訓・『嫁の出産のときに仕事をするな』




 ***



 それから7日後まで私の名前はきまらなかった。

 あえて言おう。

「吾輩は乳幼児である。名前はまだない。」

 スベるとか関係ない。言いたかった。自己満だ。



 ***



 母と父の厳正なる会議の結果、名前が決まった。

『恵』

 私は中野恵になった。




 ***




 それから2年ほど、両親や祖父母に溺愛されて育った。

 年の近い従妹は全員男子で、私よりも先に生まれていたため、『末っ子で唯一の女の子』である私は甘やかされていたのだ。




 ***



 そのまますくすくと育ち、4歳になった。

 というか、1~3歳の特筆すべきエピソードがない。



 ***



 4歳になって幼稚園に入園した。

 年少クラスから入り、後々の幼馴染となる人たちとの出会いもあった。

 徒歩で登園していたが、このころにはドジの才能を開花し、よく転んでオデコから出血していた。我ながらすごく運動神経がある意味神がかっていたのだろうか。


 運動神経といえば、幼児向け体操教室にも通っていた。

 トランポリンも経験したのは人生で一生記憶に残るであろう楽しかった思い出だ。


 また、小さな事件を起こした。

 事件といっても幼稚園のお遊戯会での役に恐竜を選び、先生の頭を悩ませたものだ。



 ***



 5歳になって年中クラスに進級した。

 そこでは後々とある事件を起こすことになる人物と出会う。


 体操をやめて、夏ごろに水泳を始めた。

 水が好きになったのはこのころであろう。


 その学年の冬、弟が生まれ、姉となる。

 そして、弟が生まれたことでテンションが上がった私はドジを発揮し、人生初の捻挫を経験した。泣いた。痛かった。



 ***



 6歳になり、年長クラスに進級した。

 そして人生の一大イベントといえようか、初恋を経験することとなる。

 卒園を目前としたバレンタインデーに初本命チョコをあげたのはいい思い出である。

 ちなみに、卒園の日にキャンディーが返ってきたものの、小学校がわかれてしまい、会うことはなかった。


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