第8話 隠しルートの隠し武器
さて、宮殿の地下に行くためには当たり前だが宮殿の中に入らなければならない。
しかしこれまた当たり前だが、宮殿の中に入るには門を潜らなければならない。
そしてさらに当たり前だが、門には門番がいる。この宮殿には左右に二人。
対して今の俺、丸腰。つまり
忍び込もうとする → 門番に見つかる → 必死(必ず死ぬ)
ガクガクブルブル
しかぁし!何度も言うが俺には最強チートである攻略サイトが味方してくれている。あんなへなちょこ門番二匹程度、おそるるに足らず!……嘘っす、ちょっと怖いっす。
攻略サイトの情報によると、三日月の場合あの門番たちは1時間に一回片方ずつ交代するようになっている。そして交代するとき、もう片方の野郎に向かって交代することを教える。その時間およそ10秒。この短い時間のみ、門番は隙を見せる。その隙に俺はこっそり門番の後ろを通って中に入るのだ。
完全犯罪の完成だな。ぐふふふふ
☆ ☆ ☆
20分後
俺は門のすぐ横でひっそりと息を殺し機会をうかがっていた。門の近くには松明があるが、それだけで周り全てを照らせるはずもなく、俺のような素人でも簡単に隠れることができるのだ。ざまぁw
そうやって門番たちを内心小馬鹿にしていると
(………動いたっ!!)
門番が俺とは反対方向に顔を向ける。ぃよっしゃ!今だ!
サササッ!
音を立てず、それでいて素早く、気分はまるで忍者のそれである。忍者ごっこ楽しいなー(震え声)
内心ガクブルしながらもなんとか門を潜り抜けることができた。さすが俺。やはり日頃の行いがいいせいだろうな(良くない)
門を潜り抜けた先にあるのは広大な庭だ。さすがは宮殿内の庭、めちゃ綺麗。正直ずっと写真を撮りまくりたいところだが、さすがに犯罪行為真っ最中にそんな呑気なことはできない。
この庭は隠れるところが多いので簡単に抜けることができる。時間をかける必要はないためさっさと抜けるに越したことはない。
庭を抜けるといよいよ宮殿に侵入だ。と言っても攻略サイトの情報を持っている俺にはたいして難しくはない。
俺は正面の扉をガン無視して右側にある食堂付近へと静かに移動していった。
「…侵入成功っと」
三日月の場合、食堂にある窓が一つ空いている、という情報を知ってる俺からすると侵入なんざ楽勝さ!
さて、侵入に成功したことで見回りにさえ気をつければもう俺の作戦はほぼ失敗することはない。あとは地下に行って武器を入手するだけだ。幸い三日月の場合、地下に続く階段は食堂からかなり近い。ほんと三日月さまさまだぜ!
地下に続く階段を降りていくと、重厚感のあるいかにもな扉が目に入ってきた。そしてその横にはタッチパネルのようなものが埋め込まている。ここの扉は暗号を入力しなければ開かない仕組みなのだ。
しかしその暗号を知っている俺からするとノーセキュリティもいいとこだ。
早速俺は暗号を入力する。
〈隠しルートの隠し武器〉
入力し終えたと同時に扉がまるで自動ドアかのようにスゥーっと開く。いや、ここだけハイテクかよ!
宝物庫に入った俺を出迎えたのは金銀財宝の輝く光。
だが俺の目にはその光は入ってこない。
俺の目線の先には中心にある台座に掲げられた一つの武器。
やっと見つけた。
オトホラの中でもトップクラスのチート武器〈黒武器シリーズ〉の一つ
〈漆黒〉マスケット銃
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最強にして最高のチート、カンニング
読んでくれた人に感謝!
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