第102話 アイリスとジンジャーの修行(その2)
「それじゃあジンジャーも魔法を見せてくれるかな?」
マリーはジンジャーに尋ね、ジンジャーはいつものように構える。
「『ハイスピード』!からの『スパーク』斬り!」
ジンジャーは『ハイスピード』を発動し、ジョセフが使用していた『スパーク』斬りで岩は木端微塵となる。アイリスの魔法では亀裂が入る程度だったのにジンジャーは二つの魔法をゲームのコンボのように組み合わせたことにより威力を倍増させていた。
「これが私の技量ってやつかな。ジョセフがやってたのを試してみたんだけど魔力をコントロールするのが難しくて威力を抑えられなかったんだよね……」
ジンジャーは頭をボリボリと掻きむしりながらアハハと笑っていた。
(ジンジャーちゃん、まさかとは思っていたけどジョセフ君の『スパーク』の使い方を見ていただけなのに魔力のコントロールこそ到底ジョセフ君程ではないにしても無属性魔法『ハイスピード』を応用しての『スパーク』を使うアイディアは流石行商していただけ頭はいいってことね……)内心マリーはそう思いながらジンジャーの魔法の才能に驚かされていた。
「多分ジョセフ君が魔力コントロールが上手く出来ているのは明確にイメージが浮かんでいるからなんじゃないのかな?少なくともあたしはそう思うけどね」
「なるほど!」
ジンジャーは手をポンと叩きながらマリーの意見に頷く。
「分かった!イメージを明確に浮かばせればいいんだね?」
「それは私でも同じなのかな?」
「多分そんな感じで行けば以前よりも魔力コントロールがアイリスちゃんも上手くなるはずよ?」
マリーは適当な表情をしながらアイリスにアドバイスをする。
「明確なイメージって簡単に言っているけどそれで上手くいくなら苦労はしないのだけれど……」
アイリスはマリーに弱音を吐きながら頬を膨らませ睥睨する。
「今は分からなくてもいつか必ず分かる日が来るわよそもそもジョセフ君がやっていることは高等テクニックのようなものだし最初は上手く出来なくても当たり前よ。魔法の威力をコントロールしてなんて戦い方だって私クラスの魔法使いでも普通はそんな簡単にできないんだから……まあ威力を調整する使い方を練習したことないだけでやればできるんだろうけど」
マリーはジョセフの魔法の使い方に関して少し動揺しながらも自分も練習すればできると高を括るような口ぶりでアイリスとジンジャーに言う。
「『クレイ』!」
マリーは土属性魔法『クレイ』で土の壁を粘土のような土で生成し、火属性魔法『ファイアー』で粘土を急激な温度変化を加えながら乾燥させた。
「嘘でしょ……粘土を3秒程度で乾燥させるなんて……ありえない!」
「これがあたしの技量ってやつよ。なんとなくジョセフ君がどんな風にやっているのか想像しながらしてみたらこんな風に仕上げられたわ」
ジンジャーは両手を口に当て驚き、マリーはドヤ顔で自分も魔力コントロールができることをアピールしていた。
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