第71話 チートすぎるだろ!(その1)

 誠は無属性魔法『エニィウェアゲート』を発動し、一気にホームズ王国の領地へと移動したのだ。


 「こいつホントチートだな……」


 佐藤夏樹は舌打ちしながら誠のことをギラっと睨み、ハーレムしていたため殺意をかなり感じていたみたいだ。


 「ジョセフのハーレムはまあ一緒に冒険しているからそんなにイライラもしないけど昨日のチートっぷりを見れば一発殴りたくもなるな」


 「そう言うなよ、あいつは神様の手違いで死んだんだから俺達と違ってチート能力授かっても仕方のない立場なんだし」


 「それでもなんていうんだ?あの胡散臭い感じとか俺達と同じくらいの歳とはおもえないっていうかさ……」


 誠のことをあまりよく思わないのか佐藤夏樹は誠の敵を目の敵状態であり、後ろにいたマリーも誠を見る目線がとても険しかった。


 「佐藤夏樹君の言うようにあたしもあまりいい印象は悪くないわ……」


 「マリーと佐藤夏樹いつの間にか利害一致している感半端なくなったな……」


 ジョセフは小声で言葉を発しマリーと佐藤夏樹は「そうか?」と言いたそうな顔で首を傾げ少し訝しそうにしていた。(いつの間にあそこまで意気投合したのかは分からないがあの二人出来てんじゃないのかな?)ジョセフからしたら誰がどう観てもそう思うに違いないと思った。


 「うふふ、マリーさんと佐藤夏樹さんはジョセフ様が知らない間に色々と親睦が深まっているみたいですよ」


 リサはくすくすと笑いながらジョセフに教えていた。どうやらリサは心を読まずとも何か知っている気がしたのだがジョセフは勝手な思い違いかそれともジョセフが知らないだけでマリーと佐藤夏樹は恋人関係にでも発展しているのかと思ってしまった。


 「なあリサ、佐藤夏樹とマリーは恋人関係にでもなったのか?」


 「もうジョセフ様、そこまでは発展はしていないですけど寸前ってところなの分からなかったんですか?」


 「他人のことに目配りできるほど俺も器用な人間じゃないんでね、誰が誰と付き合おうとあまり気にしていなかったんだよ」


 「ジョセフ様はそんなことでは女の子に嫌われますよ?私だからジョセフ様の考えていることが手に取るようにわかりますけど」


 リサはそうやってジョセフに説教を始め(リサは心が読めるから手に取るようにわかるのは当然じゃん)と内心ツッコミを入れる。


 テレサとジンジャー、アイリスですら誠に関しては少々引き気味で「あの誠って男なんか謙虚そうに見えて意外とナルシスト入っていて気持ち悪い」「ああゆう男は何をしでかすか分からん」「ジョセフの方が断然いい」と不人気である。それくらいジョセフのことを支持してくれるのは本人としてもありがたいのだがジョセフ自身誠同様ハーレムなのは否めなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る