7 オーク
豚顔の凶悪なモンスターといえば「オーク」だ。
豚顔で口からはみ出る牙、犬歯を2本もっている。しかしこの牙はほとんど飾りで戦闘では使用しないらしい。ただし、立派な牙はオーク族の誇りだという言い伝えがある。
豚顔だが二足歩行で人型だ。豚のようにお腹が出ていて全体的に肥満に見える。背が比較的高く、成人で190セントメトルと人族よりも大きい。
しかしただの肥満とは違い、かなりの筋肉質であり、その力は強大だ。
コボルトには犬の尻尾があるが、オークにはそれらしいものはない。
コボルトは半分ほど狼っぽさがあるが、オークはどちらかというと亜人よりといえる。
肌の色はゴブリンのような濃い緑だ。
体毛はほとんどないが、たまに頭髪がある「お洒落さん」もいる。
オーク語をしゃべり、そこそこの知性を持ってはいる。
ゴブリン語やコボルト語よりは、人間からすれば言語に聞こえる。語彙もある程度はあるようだ。
しかし、人間、人族や特にエルフに対する恨み感情があるようで、和解は難しそうだ。
残念ながら、オーク語の解読は進んでいない。
オークは人語を理解できそうではあるが、実情は理解したり会話したり可能なのかは未知数だ。
オークは豚に似たのか雑食性でなんでも食べる。もちろん狩りも行う。人間を狩ることもある。
森や山のやや深いところに住んでいる。
しかし、運が悪いと人里に出てくることもあり、注意が必要だろう。
オークも数頭から50頭ぐらいの集団で生活している。
森の中で「オーク村」や「オークの集落」を作り、繁殖に励む。このあたりの習性はゴブリンに通じるものがあるが、全くの別種である。
やはりメスとオスがいて、メスが子供を産む。
また人間の女性をさらってきてはオスが犯して、子供を産ませることもある。
なおオークの下半身のモノは、オークの巨体同様に人間のそれより凶悪だそうだ。
オークにさらわれた女性たちは、ほとんどの場合で、最終的には助からないといわれている。
たまに人間の村を集団で襲い、若い女性はさらい、他は全滅させることがある。
オークの力は本物で、巨大な棍棒を始め、時にロングソードや斧などを装備していることもある。
その怪力を使い立ち回るものの、頭の出来は、人間に比べるとやや劣る。
攻撃をまともに受けるのはやめ、避けるなりするのが賢い対処法と言えるだろう。
ただし、力強いオークの振り回しを避けるのも、かなりの練度が必要だろう。
体重が重い分、移動速度や俊敏性などはそれほどではない。
その代わり皮膚が硬く、防御力が高い。なまくらな武器では歯が立たないだろう。
オークにも派生がいる。ソルジャー、アーチャー、ヒーラー、マジシャン、キングに加え、オークジェネラル、オークチャンピオンなどと呼ばれている。かなりの強敵だと思われる。
オークの肉は、食べたことがないかもしれないが豚に似ている。
ステーキや串焼き、薄切りにして焼いたりする。しかしオークは中位魔物で討伐が難しく肉はかなりの高級品となる。
とても美味しいのはいうまでもない。上位種の肉は特に美味しい。
脂身の層が周りについていて、肉と脂身どちらも美味しい。
しかし、人型で豚であるオーク肉を、禁忌とする宗教、宗派、団体、その他個人なども、少なからずいる。
皮は毛皮には使えないものの、加工され硬いために革防具などによく利用される。
中位魔物であるオークの魔石は、ゴブリン、コボルトより、かなり大きく高値がつく。
討伐証明部位はやはり、右耳だ。
特定害獣に指定されており、討伐報酬が冒険者ギルドより支給される。
農村などを襲うため、また強力な魔物であるため、報酬額はゴブリンよりもかなり高額となる。
それとは別に素材の買取が行われるので、合計金額はそこそこの金額といえよう。
しかしながら、オークの討伐報酬に目がくらんで、実力もないのに戦闘することは、自殺行為だ。これは中級冒険者以上の仕事である。
オークに似た豚人族や猪人族などは、筆者の知識の中にはいない。
人間はなんでも悪口にするのが得意とする習性なようで、豚のように太った人を指して「オーク」と罵ることがある。
この国ではさいわい違うが、特にまるまる太った無能で好戦的な王様を「オークキング」と影で呼ぶことがあるとかないとか。
キングより更に上位種がいることも、この悪口をより悪質な意味にしている。
有名な歌劇に「美少女とオーク」というものがある。女騎士で姫騎士である美少女と敵対している通称オークがいた。女騎士はオークに捕まり最初の名言「く、殺せ!」と叫ぶ。これが通称「くっころ」であり彼女を「くっころさん」と呼ぶ
また秘事の追加や本当にオークだったらなど、大人向けの改変をした話も無数にあるという。人間の業は深い。
オークをテイムしたり召喚したという話は聞いたことがない。
もし可能なら、そのテイマーやサモナーはかなりの実力者だろう。
基本的に魔物は自分より劣るものに従ったりはしないものだ。
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