キャベツ人間と和解する午後のカフェ・オ・レ
黒イ卵
第1話
キャベツ人間とケンカした。
きっかけはささいなことだった。
奴には死活問題だったかもしれないけど。
僕はその時、むしゃくしゃしてて、つい、モンシロチョウの卵がついてるのを洗わずにいてしまったんだ。
まあ、何日かして。孵るよね、てふてふ。
すっかり穴だらけになったキャベツ人間は、
「〜〜〜〜!!!!」
と震えて、モンシロチョウを追いかけ回した。
僕は、ああ、しまったなぁって思って、大変だねって声かけたら、くるりと振り返ったキャベツ人間が、
「〜ー!? 〜〜ーー!!」
ってメンチ切ってきたんだけど、そこで僕は、そうか、夕飯はメンチカツだったっけって思い出して、キャベツ人間に、
「おやつだから、カフェ・オ・レにしよう。」
って言って、とっておきのドーナツと、アイスコーヒーとガムシロップを入れて、氷を入れたグラスに、ミルクを静かに注いだカフェ・オ・レを用意して、一緒に飲んだんだ。
そしたらさっきまで、ワサワサしてたキャベツ人間もすっかり落ち着いて、ゆるやかな午後のひとときって感じで、ほっとひと息だったよ。
まあ、夕飯はメンチカツだったから、洗って千切りにしたんだけどね。
うまかったよ。
やっぱり、モンシロチョウが狙うだけあるなぁって。
まあ、そんなわけで、僕のカフェ・オ・レ、おススメだよ?
キャベツ人間?
君の後ろにいるじゃないか。
キャベツ人間と和解する午後のカフェ・オ・レ 黒イ卵 @kuroitamago
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