名探偵コナーンが好きだから探偵を目指す俺デーロ

ぴで

第1話 デロデーロ、探偵を目指す

「うーん」


 俺ことデロデーロは悩んでいた。


「どうしたの?」


 そんな時に同級生の女子の入口ハイルが話しかけてきた。


「進路希望調査の紙さっきもらったじゃん? ちょっとそれで悩んでいてな」


「デーロは高校卒業したら大学行くの?」


「実は俺はやりたい事があってな、なんとか三つまで絞って先生に見せたんだよ」


「デーロって夢があるんだね、何になりたいの?」


「探偵かグルメ家かラッパーなんだが先生に調査の紙見せたら死ねって言われたよ」


「そりゃ先生としては1生徒が夢みがち過ぎたら止めたくもなるよ」


「もう一度先生のとこいって話してみるわ」


「そう、がんばってね」


 こうして俺は担任の先生と話をしようと職員室に向かった。


「なんだデロデーロ、ちゃんと進路の紙は書き直してきたか?」


「先生、俺やっぱ探偵かグルメ家、もしくはラッパーになりてぇ」


「そこまで言うからには覚悟はあるんだな?」


「あります!」


「俺は昔ラップをやっててな、今からお前とMCバトルをしようと思う」


「えっ先生ラッパーだったんすか?」


「1人の教師としては無謀な夢だけに立ち向かう生徒を放っておけない、行くぞ!」


「ちょ、先生!?」


「俺の職業は教師、ヨォヨォどう調子。お前が持ってきた進路希望調査、夢みがちなお前の頭に強打。打ちのめされるのは今日ここだ。お前の夢を一個否定、アンタ先生だろ本当ひでぇ。なんて言わせねぇ。生きてく為に金が必要、だから将来見てないお前に行くぞ。よく聞いとけよなヘボ生徒、お前の事だよデロデーロ!」


 くっ!この先生、口だけじゃねぇ、確かなリアルとライムで俺を攻撃してきやがる。


 しかし伝わってくるのは先生としての愛。


ここまで言われちゃ俺はラッパーとしてやっていく覚悟はなかったようだ。


「デロよ、今はネット社会なんだからさ、ラップをネット配信して成り上がるって方法もあるからさ、あんまりラッパー一本に絞らなくてもいいと思うぞ」


 先生の説得に押され、とりあえずラッパーになる事は中断し、教室に帰る事にした。


「どうだった?」


 教室で待っていたハイルが話しかけてきた。


「先生のバイブスとフローとライムにやられて帰ってきちまったわ」


「ちょっと待って、日本語で話して」



「つうわけだ」


「なるほど、とりあえずデーロの夢のうちの一つのラッパーは中断したんだね?」


「だけどよ、俺はまだ18歳だ。何かしなくていいのかなって思うんだ」


「好きな事して生きていく、まぁそれも一つの生き方なのかもね。私は進学するけど」


「グルメ家もいいが本当に俺がなりたいのは探偵なんだ、なぜだと言われたら名探偵コナーン(探偵アニメ)が子供の時から好きだから!」


「……考えが浅い」


「もう俺は迷わねぇ、俺は高校卒業したら探偵事務所を開業するぜ!見てろハイル!」


「そのいきだよデーロ!それでこそデーロ!」


「そうと決まりゃ進路希望調査なんてパパッと書いちまうぜ!」


 こうして俺は探偵を目指す事になり、進路希望調査も無職と書き、ことなきえた。

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