(三)‐2
私が部屋に入ってきても、あなたたちは私に気づかなかったわ。あなたたちの荒い吐息が部屋の中に響いていたもの。他の音は聞こえなかった。
やがてあなたは最高潮を迎えた。そしてベッドに膝立ちになり、装着していたゴムを外してベッド脇のゴミ箱の方へ投げた。ゴミ箱の周囲には、使用済みのゴムがいくつも散乱していた。数からすると、一晩中していたみたいね。あなたが投げたそれは、ゴミ箱には入らずに手前で落ちた。床に落ちるときに逆さまになったため、ゴムから白い液体がこぼれ落ち、カーペットを汚してしまった。あなたが大学を卒業するときに私も一緒に選んだグリーンのカーペットに。ダメじゃない、ちゃんとゴミはゴミ箱に入れなくちゃ。前から言っていたのに。染みになってしまうわ。
再びあなたを見ると、あなたはベッドに倒れ込んでいた。そして横たわる女にキスをした。何度も、何度も、そして何度も。
(続く)
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