紫×紅-VIOLET×VERMILLION-
不破三月
第1話 始まりの紫電(1)
─ここはチリアンパープル公爵領の領都ウェステリア、僕は新米兵士のロゥ。
新米兵士の仕事っていうのは雑用と訓練の繰り返しがほとんどだ。
でも新米とはいえ公爵領都の兵士、メシは出るし給料は悪くない、最高級の仕事と言っていい(ハズ)。
問題は…
「新しいダンジョンだってよ」
そう言って貴族の次男サマにムリヤリ引っ張ってこられた現状である、平民は貴族出身者には逆らえないのだ…
「へっ、楽じゃねぇか」
ゴブリンやコボルトばっかりだったけどアンタ一切戦ってないけよな、と独りごつ。
一緒にきたライリーとボードもすごく嫌そうな顔してる。
何処で仕入れた情報だったのかまだ誰も足を踏み入れていないダンジョンらしい。
僕はこの次男サマの名前すら覚えちゃいない、なんて名前だっけ…
「階段です、地下三階に降ります」
「いちいち言わなくていいよ、バカなの?」
…訓練の時ダンジョンの階層降りるときは確認のため声に出せって言われただろ!
それでもしばらくは進むのに問題なかった。
ガシャ、ガシャと近づいてくる音がしてくるまでは───
「ヤバそうなのいるな」
「うん、おそらく中型くらいの」
『オォォォォォォォ!!』
速い!?もう来た!?
「ヒィ!?お、お前ら早く──」
「ガッ!?」
ライリーが殴り飛ばされ─
ガキンッ!!
僕が剣で攻撃を受け止めた。
でかい、コイツは──
『ほぅ、受け止めるか』
「意志がある…リビングアーマーっ!?」
''面白いモノをみつけた''とばかりに此方を見る【朱い目】ががらんどうの鎧に浮かび此方を見ていた。
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