VRMMO初心者の私ですが、この度「VRMMO学園」に入学しました

風間 シンヤ

1話

  ネットにより、様々な情報が流れ、人々の暮らしを豊かにしていく反面、様々なネットによる犯罪も多数沸き起こった。が、それもネットの技術の進歩により減少していったのだが、それでもどうしても減らないものがあった。それは、ネットを使ったいじめである。

  ネットによる誹謗中傷によるいじめは、アカウント特定がプライバシーの侵害に引っかかる事もあり、更にはそれを行なっているのが10代の学生達ばかりというのもあって、犯罪として取り締まるのも難しいのもあり、政府や教育機関もどうしたものかと頭を悩ませていた。

  いっそ、10代の若者にはネットを触れさせないようにすべきという意見も出た。が、そうすると大人になってネットに触れた際に犯罪を起こす者が増えるのでは?という見解もあり、10代へのネットへの触れ方に大人達は頭を悩ませていた。


  そんな時、VRMMO開発世界一と言われる大企業「ネクストバーチャルライフ」の社長、倉橋くらはし 創助そうすけから驚きの提案が出された。


「いっそ、最初からネットに触れさせ、ネットを使った学校教育をするのはどうだろうか?」


思い立ったが吉日と言わんばかりに、倉橋 創助は、自身の財源で「VRMMO学園」を設立。更に、その学園に自社の自信作のVRMMOゲームの「ネクストライフワールド」通称NLWを取り入れた学校教育を実施した。


  試験的に運用した学校は見事に成功。倉橋 創助が設立した学園の生徒達は、上手なネットとの共存を学び、ネットによる誹謗中傷などのいじめをする者は卒業後を含めて1人もいなかった。

  その成果を目の当たりにした政府や教育機関は、全国的に同じような学校を設立し、それらの学校にもNLWが実装され、「ネクストバーチャルライフ」の業績はグンと右肩上がりになった。そこも含めてまさに倉橋 創助の狙い通りになった形だった。



  そして、時は流れて現在、倉橋 創助が最初に試験的に設立した「VRMMO学園」に、今日高校一年生になったばかりの少女、七瀬ななせ 海璃かいりが校門前で「VRMMO学園」眺めていた。


「ここが……!「VRMMO学園」かぁ〜……!」


いくつかのゲームはプレイした事はあるが、VRMMOのゲームはまだ触れた事がない初心者の海璃。その海璃が本日「VRMMO学園」に入学する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る