へんしつしゃ
私は悪人だ。
これは周知の事実である。周りの人々は、常に私の一挙手一投足に神経を尖らせ、怯えている。だから、私は監視されているのだ。
衆人環視の基では、悪事の働きようがない。この抑止力を、人々は私に対し、最大の攻撃と捉えている。だが、これは私にとって、望むべくものなのである。
悪人が悪事を働くのは、自らの意思を越えた摂理ともいえる。私だって悪事を働きたい訳ではない、それでも悪事を働くのが、悪人たる所以であり、そこに悪意は無い。
悪人である私、それを監視する人々、私が衆目を集めることで、両者の平穏は保たれている。
私も、安心できるというものだ。
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