2020/06/15
「あの、ごめんなさい。鉢植え、おじさんの、壊しちゃって」
彼は唇が震えながら、今にも泣きそうな顔で謝罪の言葉を述べる。
「本当は、怖くて、その、逃げようと、思ったんです」
たどたどしい話し方になっているが、そんなことを気にしている余裕はなかった。
今はただ、自分たちが辿らなかった道に少しでも足を踏み入れかけたこと。そんな弱い心があったのに、自分たちが決めた正当な道を、老人は褒めてくれたのだ。
結果的には良かったものの、少しでも逃げようと考えていた自分が恥ずかしくて仕方がなかった。
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