第133話 流れる時に


雨の夕方に外へ出てみれば

黄色い空が街を見下ろして

ほんの少しだけうつむき加減の

人たちは皆足早に過ぎる

今日の出来事や明日の予定が

それぞれの頭の中を巡り

静かに流れる思考の上を

色とりどりの傘たちが揺れる


スピード落とした車の群れは

行く宛もないかのように彷徨い

はじかれた雨のしずくを受けた

街路樹の葉はゆるく輝く

こんな日はなぜか緑の匂いが

いつもより濃く深く感じて

緩やかに暮れていく西の空

いつの間にか雨は上がっていた

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