第129話 春の訪れ
春が来るのだ、と誰かが言った
隠しきれない喜びをもって
誰もがそれに歓喜した
温かな日差しを待ち望んで
でも
私だけはまだ冬を抱きしめていた
かすかな梅の香りを感じながら
冬の中に取り残されていた
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