第123話 飛べない鳥


いつも何かの力が働くかのように

ここから飛び立つことを止められるんだ

自由にはばたくことを夢見て

手だけはずっと伸ばしているのに


縛られこの場に縫い付けられているうちに

本当に飛び立ちたかったのか

飛び立つことを最善だと信じたかっただけなのか

何もかもがうやむやになって

霧のように消えていく


ここにいてもいいのかなんて

問われたところで答えなんてないだろうに

問いかけたくなるこの弱さが

結局飛び立つことを止めているのかもしれない


所詮は飛べない鳥なのだろう 

すべては言い訳にすぎない

でもやはり飛び立つことを諦めきれないから

せめて私は飛べない鳥ではなく

飛ばない鳥でありたいと思うのだ

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