第91話 12月


駆け足で暮れていく日は

いつでも寂しさを誘う

広がる闇に吹く風は

冷えた頬をさらに凍らせ

深まる冬に

とりとめのない思いをこぼす


転がる枯れ葉に時を見た

止まることない季節の流れ

手を伸ばすこともできず

泣くことさえできない子ども 


せめてひとときの温もりをと

雲間から覗く月の青

かき消すのは夜か心か

そこに残るのは闇ばかり

しんと静まるこの町に

蔓延る青い闇ばかり

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