第53話 言葉



なぜこうも力のない言葉

伝えられないなら存在の意味なんてなくて

心から知ってもらいたい気持ちも

渇いた砂みたいにはらはら落ちた


どうにかその手を取って

泥の中から引き上げてやりたいのに

結局は同じように沈んでいって

二人して泥まみれになってもがいて


それでもいつかは届くからなんて

きっとそう信じたいだけで

無理矢理言い聞かせている

弱い自分がほとほとイヤになってくる


ねえ、終わらせようか

そろそろ終わらせようか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る