第48話 郷愁


冷えた風が頬を撫でた

ありきたりな夜

遠く聞こえる虫の声

どこか懐かしさを覚えて

目を閉じて浮かぶ景色

雑に塗りつぶされた笑顔

この背を撫でる手の温もりも

今はもうここになくて

ただ一人立っている足の

どうしようもない心許なさ

夜に見る雲が白くて

なぜだかひどく泣きたくなった


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