第10話 雨の日の終わりに



雨上がりの道

立ち込める緑のにおい

汗ばんだ頬に

湿り気を帯びた風が吹く

点り始めた街灯

淡く光り出す星が

ひどく滲んで見えて

そっと目をそらした


なけなしの勇気をかき集め

奮い立たせた心は

簡単に挫けようとするから

両手を握りしめて

てのひらに食い込む爪

痛みに励まされるように

そろり踏み出す足の

頼りない靴音


進んでいく夜に

ほんの少し冷えた空気

一歩進むごとに

抱えきれない思いは溢れ

遠ざかる今日を

キツく抱き締めて

繰り返す日々に

静かに身を委ねた







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