第7話 六月の雨
外は雨
透明なしずくが
飽きることなく降り続け
響く川音
勢いを増していく
濡れる紫陽花
震える花びら
胸に走るかすかな痛みに
気づかぬふりして目を伏せた
雨の向こう
いつもどこかに
大切な何かを忘れた気がして
振り返ってみても
何も見えない
ただ雨だけが降り続いて
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