第2話相談 Crawford Only view
「団長ー?どうしたんですかー?最近元気ないですよね!」
「確かに!」
「俺で良ければ相談に乗るけど?」
最近の私の変化は、騎士団の皆にもバレていたらしい。
あれからほとんど見ていないが、だからこそもっと会いたいと思ってしまう。
「ああ、ペルシオ、ビアンカ、ドロテア。ちょうどいいから相談に乗ってくれないか?」
ペルシオ·ゲンデルアは近衛騎士団副団長で、ゲンデルア侯爵家の次期当主だ。男性顔なのと男性のような髪型から、世間一般からは男子だと思われている。が、立派な女性騎士だ。まあ、現当主が元から男児のように育てていたため、男性としてもいいだろう。女性騎士だと知っているのは近衛騎士団ぐらいだ。女性で当主となった、あるいはなる可能性があるのはペルシオだけだ。
ビアンカとドロテアは近衛騎士団の団員で、数少ない女性騎士。しかも大抵が女性救出部隊と呼ばれる、人質に取られた女性や誘拐された女性を救出するところに所属しているため、そこ以外に所属している女性はペルシオ、ビアンカ、ドロテアのみ。
「………………今まで、鬱陶しいと思ってきたものの中に、一つだけ気になるものができたというか………」
「つまり……団長……」
「す……す……好きな人ができたんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「え?いやその……」
「なんで言ってくれなかったんだ!?」
そうは言われても、出会ったのが最近なのだが……
「どんな人ですか?」
「……この前の夜会で会ったんだが、ドレスはお世辞にも綺麗とは言えないようなものなのに、その美しい瞳に吸い寄せられるようだったし、薄茶色よ髪は毛先の方が金色に光っていて……。だが、夜会が始まって1時間もしないうちにいつの間にか帰ってしまっていて……」
「名前分からないんだ!?」
「ミスティリアス!知らないうちに消えちゃうなんて妖精見た〜い♡♡」
「呼び名は妖精姫で決まりだな。」
「まあでも、情報が少なすぎるわね。薄茶色の髪の子なんて沢山いるし。」
「またなにかあったら教えてねー!」
……情報が少なすぎる、か。
確かにそうなのかもしれない。
ああ、私のこの感情がどうにかなればいいのに…………
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