第5話 攻めがるた

競技かるたには2つの戦法がある。攻めがるたと守りがるた。攻めがるたは、相手の陣に積極的に攻めていってプレッシャーを与えるスタイル。守りがるたは自陣を守り守って勝つスタイル。西野先生は、攻めがるた。俺はというと…

戦ってて強いなと思った。決して手加減せず全力で向かってくる。10枚差まできてしまった。攻めがるたは後半からが強い。後半になると1、2字決まりばかり。何とか食らいつこうとするが『ありがとうございました』勝負がついた。勝てなかった。西野先生は、「蒼君だっけ?かるたやってて初心者じゃないことがわかった。あなた攻めがるた守りがるたどっち?」「自分は、…」言えなかった。なぜなら…

戸惑っている俺を見て西野先生は、「今日からあなたは攻めがるたでやっていきなさい!なんせ攻めの大山かるた会だから!」

攻めがるた…まぁいいかなと思った。

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