花になる、人になる、花になる

我は花である

風になびき

人を癒し

遠い遠い場所に種をまく

一から十と決められたのは素晴らしい


我は花である

我を見る幼児の

小さな手が千切ろうとするけれど

気にしない

同じ種族が繁栄するだろう

誰もここで我が命を断とうとも

喜ぶも怒るのも人が羨ましく

そして憎いが

それで良いと我は思う


歩く人々を我は見ていた

病んだ人、心を汚した人、諦めている人

目を輝かせる人

人、人、人、人間


私は物言わぬ無感情な生き物になりたかった

そのくせ綺麗なものになろうとする

あ、あ、あ、醜かろう、私は

だから笑ってはくれないか

それが一番、嬉しいんだ

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