第9話 郵便受けに便箋

齋藤さんと再会し、お隣同士の挨拶を交わした日から1週間後のことだった。


「あっ! これって……」


 1通の便箋。

  仕事から帰宅し、マンションで自分の部屋番号の郵便受けを確認した時に見つけた。


 差出人はきっと……。


 なんだか少し、胸の鼓動を大きく感じる。


 便箋をそっと手に取り、裏を見た。


 『齋藤大翔(さいとうはると)』


 鼓動が早まる。いますぐに封を開けたい。でも、グッと堪える。

 こ、子供じゃないんだから。

 バッグに丁寧にしまい、早足で自分の部屋へと続くマンションの階段を登って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る