第4話 思わぬ出会い

「やった♪ばあちゃんが来れば百人力だね」

フォウは両手を上げて、やった♪と喜ぶ。


「で?何をしに行くんだい、魔族の国に行く洞窟まで」


オルガナは魔族の国に行くと思い少し焦るが、

傷薬がきれている、ことを思い出して両手を思い付いたかのように、なるほどのポーズになる、

フォウの言葉から聞きたいので、わからないふりをする。


「実は傷薬がもうすぐ、なくなりそうだから、魔力を含んだヨモギ草を取りに、それと腕試し、ばあちゃんのから習った剣術の成果を試せたらいいなと思って」


オルガナの剣術の手解きは、どんな、人や岩には、綻びる、ツボがあり、そのツボを刺激するだけで、粉々にしたり、豆腐のようにスパッと切ると言う修行だった。


それを思い出し、フォウは試したくなったらしい


「そうか!岩の修行はできるようになったか?」


「ううん、まだできない、けど試してみたい」


二人は食事を済ませ、家を出て酒場の依頼を受けに行くことにした。


森の中を、ゆっくりと二人は散歩しながら、自然観察を楽しみながら、鳥や森の動物を二人して楽しんでいた。


あっという間に、酒場に着きマスターにフォウは挨拶をしに行く。


「マスター依頼を受けに来ました、実は…」


親代わりのオルガナが一緒で恥ずかしくなったのか、フォウは途中で話をやめてしまった。


「実はなワシもその依頼受けることにした」


フォウの頭を撫でながら、マスターにオルガナは嬉しそうに話す。


「これは、オルガさんいらっしゃい!初心者向けの依頼ですが良いのですか?あぁなるほどお孫さんの付き添いですか」


満面の笑みでフォウとオルガナの顔を見て笑う、マスター良いですよと一言いうと、初心者の魔法使いが到着する。


「マスター、薬草採取の依頼を受けに来ました、アザレアです、フォウくんの依頼でしたよねマスター」


黒いトンガリ帽子に、黒マント、ショートパンツ、上着はチュニックとラフな格好で、髪の色は銀色に近い白髪で、歳は二十歳頃の娘だった。


「おう!アザレア、依頼人がお待ちかねだ、早く行ってやりな、普段はここのバイトもしてるが会うのは初めてだったな坊主」


アッハハと豪快にマスターは笑い、アザレアを紹介する。


「ちょっと、急用でね、ヨモギ草の依頼は直ぐに終わらせる、ワシも同行することにするもちろん、代金はフォウとワシの分まで払おう」


孤児院に午前中までには着きたい、オルガナは焦る様子は見せず、洞窟に行って、戻るだけの作業と軽く考えていた。


「オルガさん同行か洞窟は最近、魔物が増えていて、助かるぜ」


どうやら、洞窟の魔物が増えて、上級冒険者には、魔族の国までの道を速急に通行できるよう

依頼が上がっていた。


「オルガさんには魔族の国に行く道をどうにか通れるようにしてもらいたい、すぐにじゃなくてもいいんだがな、誰も受けやしない」


カウンターでフォウの依頼書の受理を受け付けしながら世間話をする、国から近い町と言っても、

国も町も戦争からの復興で物資がないのだ。


「わかった!マスターその依頼、そのうち、受ける事にしよう」


「ありがとう!オルガさん恩にきるぜ」


依頼書の受理が完了したので、オルガナ達は依頼書の片方の印鑑を押された事を確認してアザレアに依頼書を渡して洞窟に向かう。


依頼を受ける時は、受け印の欄に印鑑、依頼完了の欄に印鑑が必要だったので、アザレアとフォウに説明をして依頼書を渡した。


「いいかい!あんた達、魔族の国は今は通行止めだそのため、魔力を含んだ薬草が入りずらい、恐らく魔物が巣を作っている可能性がある、気を引き締めて行きな」


魔物は魔族とは関係なく、そこに生息する生き物が魔力を持つようになり、稀に凶暴な魔物に進化する物もいるという、下級の依頼でも、侮れない、勘違いをした人間が多くて、酒場にも苦情が来るくらいだ。


町からは、魔族の国の便の馬車が出ており、ちょうど良いタイミングで馬車が来た。


「おや?オルガさん、お久しぶりです、魔族の国は通行止めですよ」


オルガは依頼書を見せ、説明をする、もしかすると、魔物が巣を作っていると言う可能性とあると

ついでに、オルガがその魔物を退治すると言うと

馬車の男は料金はいらないから、すぐに乗ってくれとの事だった。


「ばあちゃんは、顔が広いね〜有名人だね」


屈託のない笑顔でフォウはオルガを褒める、その眩しい笑顔にオルガはデレそうになる。


「オルガさん本当に何者ですか?」


アザレアはトンガリ帽子の鍔を親指と人差し指で、かぜに飛ばされないように押さえる。


「ただの、孫が大好きな婆さんだよ‪w」


話をはぐらかし、目的地を目指す三人パーティ


「アザレア、お主はどのような魔法が使える?」


魔法には四大元素が存在する、火、水、風、土

一人一属性しか持てず、魔力を高めるには、魔力を含んだキノコや野菜が必要で、今は入りずらくなっている。


「私は火属性です、ファイヤボールが得意魔法です、火力調整すれば松明の代わりにもなります」


腕を組んで、得意気にアザレアは自慢する。


「でも、最近、魔力不足で困ってるんです、本当にフォウくんには助かりました、ちょうど取りに行く予定でしたので」


苦笑して、人差し指で頬を掻きアザレアはオルガに説明する。


「そうかい!ワシらも、傷薬の材料がなくてな、お互いちょうど良かった」


争いで、人間の国は貧困になって、自然の恵みを頼るしかない。


「野菜や果実もそろそろ、尽きる、どうにかせねばな」


魔王が錯乱状態で、何があったのか分からない、

想像はつくのだか、本人から聴くしか真実は分からなかった。


「あやつ《魔王》も恐らく、誰かに頼りたくても信頼できるものがおらなんだか、あの時、見逃したのは、ワシにどうにかして欲しかったからなのかもしれぬ」


オルガは、魔王が襲って来た理由を考えて、一刻も早く、魔族の国の問題を解消しなければ、恐らく魔王は、国の謀叛を侵したことにより、国外追放か、もしくは死刑かもしれなかった。


馬車は目的地に着き、三人パーティは、松明を準備する 。


「アザレアよ松明の油がなくなったら、灯りを頼んだぞ」


アザレアはオルガに頼りにされていることを嬉しく思い瞳をキラキラさせて、元気に、はい!と返事をする。


周囲は岩をくり抜いて、トンネルを作ってあるようだ。


「ここはな、魔族の国に行く三本道の一つで最短で抜ける道でな、途中にキノコや野生の野菜が生えている、ここで収穫と行こうかの」


さすが年の功なんでも、よく知っている、とフォウはニッコリと笑ってオルガを見つめている。


馬車の男は明日また来ると言い残し、馬車の男は去って行く。


オルガは火打石を用意し、松明に灯りを灯す。

では、二人とも行くぞ!!とオルガは意気揚々と洞窟に入って行く。


洞窟は薄暗く、足場が良くない、下手をすると、転ぶので気おつけて歩くようにとオルガは二人に説明する。


「オルガさん分かってますって以前、私も来たことありますので」


「いーや!分かっておらぬ、それは洞窟の途中までじゃろワシらは洞窟を抜けることを前提にしておるからの」


「ばあちゃん、大丈夫なの?魔物が巣を作ってるって言ってたのに」


岩でしか修行相手をしていなかったフォウは急に不安になってオルガにたずねる。


「良いか、フォウお前は自分の力を試すのじゃろ、そんな弱気でどうする」


弱気になったフォウを元気ずけるために、激昂するオルガ、三人パーティは洞窟に挑む

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