第1話 カエデと四神とセーバル

「じゃあ…行ってきます!」


「いってらっしゃい?」


やっほー!僕はカエデだよ!…え?今から何をしにいくかって?四神のみんなとセーバルさん達に会いにいくついでに絵も描きにいくんだー!ちなみにたまーにだけどフレンズさんに絵を教えたりもしてるよ!


「ふぅ…やっぱあれが無難かな…?」


実はね、移動が便利になるように高速で走れるスケボーを具現化してもらったんだー!プラムさんが言うに、見た目は子供、頭脳は大人なスケボーって言ってたけど…なんだろうね!


「じゃ…いきますか!」


「あ!カエデ!どこに行くの?」


「ん?イナ?」


…あれ?イナってさっき家の中にいたはず…荷物も持ってる…イナもどこかにいくのかな?


「あー…わかった!四神のみんなとセーバルさんに会いにいくんでしょー?あのとき頼まれてたことかな?」


「そうだよ?あのときセーちゃんが来た時にお願いされたことをやりに行くんだよ?」


「そのお願いってなんなの?」


「それがねぇ…来てって言われただけで事情は知らないんだよね…?」


「そっか…じゃあ私も急いでいるから!」


「あれ?イナは何をしに行くの?」


「決まってるでしょ!イタちゃんとディンちゃんとなんでも屋の仕事をしにいくの!」


…?ディンちゃん…聞いたことないな…


「ディンちゃんって誰?」


「普通わからないかな!?ディンゴだよ!」


「あぁ…」


…納得いった。


「…ねぇカエデ」


「ん?」


「カエデってさ…恋愛してる?」


「え?何急に?」


「してるの?」


「えっ、いや…してないけど…?」


「そっか…」


「何かあったの?」


「いや?カエデに好きなフレンズさんがいなければ私とつがいになる?って提案をしようとしただけだよ?」


「は!?」


おいおい!?嘘でしょ!?


「ふふっ!いい顔頂きました!」


「ねぇ!?やめてよ!?冗談怖いんだよ!」


イナってお母さんと違って急に冗談を話して来るから…怖いんだよなぁ…


「あっはは!お母さん譲りの話術だよ!まあそんなことより急ぐんでしょ?」


「…あっ!?もうこんな時間!急がなきゃね!じゃあまた後でね!」


「うん!じゃあね!」



と言ってもだよ?あれからみんなで頑張って火山の登山ルートをみんなで作ったんだー!しかもバスとかでもちゃんと走れるようにね!だからこのスケボーでもちゃんと走れるよ!だからね、すぐに着いちゃうんだ!


「やっほー!元気ー?」


「おっ!カエデ!」


「おはよう。約束の時間通りね?」


「うん!さて、今日は何するの?」


「今日は我らでへいげんの料理屋に行こうと思ってるが…いいかの?」


「なんでみんなはそうしようと思ったの?」


「そなたが作る料理も確かに美味しいんだが…たまには他の誰かが作った料理が食べたくてな…」


「…えっと?それは僕が作る料理は飽きたってこと?」


「そ、そんなはずないだろ!?カエデの料理が1番おいしいに決まってるだろう!?」


あ、ビャッちゃんいいこと言うね!


「ん?ビャッちゃんさ、いいこと言うね?嬉しいよ?」


「…まあつまりじゃ、カエデの作る料理と他の人が作る料理はどれくらい変わってくるのか…ということが知りたいんじゃ」


「なーるほどー!」


「カエデ、期待してるからね」


「セーちゃんっていつもプレッシャーかけてくるよね?まあ…たまに家族みんなで食べに行ったりしてるからオススメ教えるよ!…ってことはこの時間に呼んだのは食べにいくため?」


「そう」


「なるほど!じゃあ向かおうか!」


…こう考えるとなんか…すごい目立つよね?





「そういえばみんなさ」


「ん、どうしたんじゃ?」


「昔さ、僕をフィルター守護者に認定したよね?なんで僕なの?」


…実はあのセルリアン事件が落ち着いたときにね…



『さて、事がおちついたことでみんなの中から1人、フィルター守護者を決めてほしいんじゃ』


『え?フィルターはもう二度と壊れることは無いんじゃ…?』


『一応の話よ?』



…こんな話がありまして…ね?四神のみんなの推薦で僕がこうなっちゃったんだけど…


「…私たちのいる場所は火山の頂上。まあ寝るときはプラムたちに掘ってもらった洞窟に行くけど。そしてカエデは絵を描く。絵を描く場所的に頂上がいいと思っただけ…」


「なるほどね!確かに絵を描くのにはちょうどいい場所だよ!ありがとね!推薦してくれて!」


「わしらからも感謝するぞ?」



ついたー!


「おわー…すごい並んでる…」


「こんなの日常茶飯事じゃぞ?」


「嘘!?」


「早く並ぶわよ。遅くなっても知らないわよ?」



まあ…なんとか入れたわけよ。…長かった…!


「おっ、カエデと四神のみんなとセーバルさんじゃないか?」


「あ、プラムさん!今日の係はプラムさんなんですね?」


ってことはライオンさんやらシンとかシキもいるのかな?


「あぁ!シンもシキもいるぞ?さて、これが今日のメニューだが何にするんだ?」


えっと…カレーと…ビーフシチューと…クリームシチューと…その他もろもろかな…?


「…さ、カエデ?」


「そなたが思うおすすめとはなんだ?」


んー…どれも捨てがたいんだけどなー…やっぱカレーでしょ!


「そうだね…カレーだよ?」


「なるほど…我らはカレーじゃな?」


「えぇ」


「よし!じゃあ僕もカレー!」


「カレー五つでいいな?飲み物はどうする?」


「カエデ、おすすめはなんだ?」


…やっぱぶどうジュースっしょ!ここのぶどうジュースは美味しいよ!


「ぶどうジュースに決まってる!」


「お、カエデはぶどうジュースの作り方を知ってるのか?」


「はい!前に作ったときに試飲したら美味しかったので!」


「じゃあ私たちもぶどうジュースだな?」


「ぶどうジュースも五つだな?」


「うん!お願いしますね?」


「よっしゃ!任せとけ!」


注文したから…待とうか!


「…さて、カエデ?」


「ん?」


「最近何をしてるんじゃ?」


「何って…わかってるよね?絵を描いてるよ?」


「お願いがあるんじゃ」


「お願い?」


「そうじゃ。…この我の尾羽を描いてほしいんじゃ。イテッこれを模写?してほしいんじゃが?」


「わかった!料理が来る前に仕上げちゃうね!」


しっかしねぇ…スッちゃんが尾羽をくれるなんて珍しいねぇ…!



まあね?約6分で仕上がったわけよ。


「ほい!完成!」


「相変わらず早いの…クオリティもすごい…どうしてそんなに早く、うまく描けるかわからんのじゃ…」


「…お母さん譲りの技術だからね?」


「…お!カエデ!久しぶりだねぇ!」


「ん…?おっ!レオ!久しぶり!」


「それに四神のみんなとセーバルさんも!お久しぶりですね!」


「あぁ。久しぶりじゃな?」


「…で、レオは何をしにきたのかしら?」


「えぇ!?これみれば分かりますよね!?運んできたんですよ!?」


「あ、あぁ…そなたが係か…すまないな…」


「…ということで、当店自慢、じゅるりカレーとぶどうジュース!ではごゆっくり…」


「ありがとね!」


じゅるりカレー。それはもちろん博士たちがつけた名前!これはカカオ教授とアップル准教授も納得したみたい。…なんで?w


「さて!食べようか!」


「そうだね」


「「「「「「いただきます!」」」」」」



「そういえば聞きたいことがあるんだけど」


「ん?」


セーバルさんが聞いてくるなんて珍しいね?


「私たちと生活し始めて楽しいの?」


「え?もちろん楽しいよ?忙しいけどさ?ほら…スッちゃんはさ…その威厳とは裏腹にいつも色々なことをしているし…つまり優しさがすごいけど僕が安心できるように色々やってくれるでしょ?」


「そうかの?」


「そうだよ!そしてセイちゃんはお父さんからはちょっと怖いって聞いたけど実際そうじゃないし…笑顔が眩しいよ!つい絵に描きたくなるよ!」


「そうかしら…?」


「そうだよ!ゲンちゃんは釣り目で怖そうに見えるけどかっこいいし…怖そうに見えるのが逆にカッコよく見えるのかな?」


「そうか?」


「うん!ていうかみんなつい描きたくなっちゃうね!セーちゃんは喋り方が無愛想に聞こえるけどみんなのために尽くしてくれるし…」


「無愛想ってひどいね。でも嬉しいよ」


「ふふっ!ありがとね?ビャッちゃんはもう…なんで言えばいいんだろう…?かっこいいとも言えるし可愛いとも言える…」


…ビャッちゃんにはちょっと盛りすぎたかな?


「…!?///」


「…?何顔を赤らめてるんだ?」


「いや…大丈夫だ///」


あ、盛りすぎちゃったから赤らめてるのかな?


「いや、大丈夫じゃないでしょ」


「…すまない…///」


「んー…」


何かありそう。でも冷めちゃう前に食べちゃおうか!


「さ、冷めちゃう前に食べよ!」


「そうだな…///」


ビャッちゃんはまだ赤らめてるんだね?


「しかし…美味しいわね…」


「でしょ!」


「そなたがオススメする理由がわかるな…」


「よかった!みんな満足そうだね?…ビャッちゃーん?」


「…はっ!ど、どうしたんだ…?///」


「食べないの?」


「た、食べるぞ?///」


…ほんとに大丈夫?


「…ビャッちゃん?本当に大丈夫?いつもと違うよ?」


「大丈夫だ…///」


「相談ならいつでも受け付けるよ?」


「また今度に頼もう…///」


…提案してみよっか。お母さんには今日中には帰れなさそうって言ってあるし大丈夫でしょ?


「…ビャッちゃん?提案があるんだけどいいかな?」


「ど、どうした…?///」


「今日一日さ、僕とビャッちゃん、2人で過ごさない?」


「「「「「!?」」」」」


「な…何故だ…?///」


「今日2人で過ごしたらさ?今思ってるビャッちゃんの気持ちがわかるかもしれないからさ?」


「…私でいいなら…いいぞ…?///」


よかった!じゃあ聞いておこっか!


「そっか!あのさ?今日の用はこれだけ?」


「そうじゃが?」


「わかった!じゃあビャッちゃん?食べ終わったら2人でどこかに行こうか!」


「あぁ…///」



「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」


「どうだ?美味かったか?」


「うん!プラムさんが作ったんですか?」


「いや、今日の俺は接待だけだぞ?主にライオンが作ったな」


「へぇー!そうなんですか!美味しかったですって伝えておいてください!」


「あぁ!任せておけ!」


「ごちそうさまでした?」


「お粗末様、だな!」


「では、また会いましょうね!」


「あぁ!また食べにこいよー?」


…まあ…今日の始まりは色々あったよ。今からはビャッちゃんの心情を探るためにデート?もどき!頑張る必要あるのかな?

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