第38話 月の光
今夜は月が妙に明るい、妙に大きいのも怪しい。考えても意味無いと思い、それを思考から追い出した。いま私は会社の寮の、恐らく5階くらいに住んでいる。気付いたときにはこの部屋に居たのだ。ただ休職中で、ずっと休んでいた。窓から外を見ると、すぐ下に会社の通用門が見えて、数人の社員が出てくるところだった。上着は制服、下はスラックス。おじさんと言われる年代だった。制服のままという事は、車で帰宅か寮に住んでいるかだろう。
私はその集団から目を反らしつつ、周りを眺めた。まるで壁のようにビルやマンションが建っている。こちらから見えるということは、あちらからも見えるんだろうなと、そして月が明るいから尚更だろうと思った。
寒さを感じ、窓が開いていたことに気付き窓を閉める。それからカーテンも閉めて横になる。いつから仕事再開できるのかな、女子社員として……。
ーーおわりーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます