第29話 死体

 車に乗せて貰って、目的地に向かっていた。通り掛かったお店の前に死体が一つ転がっていた。はだしでコートをきていたけど、コートの前がはだけていて赤いロープで縛られているのが見えた。顔は下向きでみえなかった。


 先に進むとまた死体が転がっていた。今度は警察官も集まっていて、隙間からちょっと見えただけだった。ロープの赤だけが目に刺さった。


 更に進んでいくと、道端にブーツが一足並んでいた。また死体なのだろうか。探してみたがどこにもそれらしい物は見つからない。その間にも車は走り続ける。


 もうすぐ目的地だ、流石にもう死体は目にしないだろう。

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